Unity+Oculus+MMD とりあえず書き留めておく場所

Unity+Oculus+MMD VRでキャラクターと遊ぶ

Oculus体験会まとめのまとめ

自分が主催した体験会の感想など、Twitterから拾ってきてTogetterにまとめたりしています。

後から自分で読み返したりする用に、ここでまとめておきます。

 

 

2014年9月

初回と2回目は自分でまとめていなかった!(ありさとさん、ありがとうございました!)

記念すべき第1回目の体験会でした。

この頃はまだPCをお借りしてやっていて、当日うまく再生できずに肝が冷えたのを覚えています。

始まる二時間前くらいに他所で動作確認しており、詳しい方に教えを乞えたので救われました…

 

2014年10月

ここでようやく自前のPCに。

ヘタリアMMDクラスタが非常に多く、この回から「お互いに体験動画を撮り合う(余裕があればMMDで再現動画を作る)」という謎の流行がはじまった気がします。

現場でも面白いんだけど、体験動画は撮っておくと後から見ても非常に楽しいです…

 

2014年11月

そしてその流れのあとに行われた、名古屋での60人規模の体験会。

izmさんにお手伝いしていただいて時間を大幅にオーバーしてなんとか終わらせましたが、帰り道と次の日死にました…

会場が飲食店さんだったので、そのまま打ち上げの予約を入れておいて救われました。

 

2014年12月

ひと月ごとにやってますね!!精鋭たちがどんどん出現して楽しい限りでした…

 

2015年2月

いつもお世話になっている銀座のチーパズカフェさんにだいぶご迷惑をおかけした感のある…悲鳴のすごかった回でした。

 

2015年3月

比較的小規模のもの(20人以下)は、秋葉原パセラ電気街店さんにお世話になることが多いです。

やる前から妄想の激しい人は、体験でもアレだという認識が強まった回でした。

 

2015年3月

いろんなことからの逃避なのか、この月は小規模を3回もやってます。

交通費も馬鹿にならないというのに…

 

2015年3月

この月3回目。新しい会場を模索中でした。

 

2015年4月

新潟県長岡市で行われた体験会。

お借りした先のダンススタジオさんのオーナーさんも最初から最後まで見学してくださり、体験もしてくださいました!とても楽しんでくださったようで嬉しかった…

その日泊まる予定の宿を「あそこは料理が美味しい!自分もよく行く」と言ってもらえてとても心強かったです(*´∀`*)

 

2015年5月

GW付近に小規模を2回やったので、その2つでたくさん感想書いてくださった方中心にまとめ。

(↑なぜか上手くタイトルが反映されていませんが、リンク張れています)

2015年6月

久々の銀座オキュ。慣れているので落ち着きます…

 

2015年9月

ついに京都での体験会。

西も機会と時間とお金があればもっと行きたいんですけどね…

 

 

 

 

 

これ以外にも体験会は大小やってはいるのですが、まとめていないものも結構あります。

とりあえず、まとめたらここにまた追加していきたいと思います~


 

 

 

 

 

体験会に参加される方への注意事項

私が主催するOculusの体験会に参加される方への注意事項です。

(全ての体験会に共通する事項ではありませんのでご注意を!!)

 

体験会概要

主催はMikuMikuDanceMMD)で主に活動している者です。MMD使用目的で配布されているモデルを、Unityで読み込み、Oculusで見られる映像として出力したものを見ていただきます(※使用の際はモデラーに許可を取っています)。

1. 見ていただくコンテンツは、好きなキャラが目を合わせてくれたり、手を振ってくれたり、その程度の単純な動きしかしません(少数ですがもう少し作りこんであるものもあります)。

 通常、事前に好きなキャラクターやモデルを申告していただき、モデラーに許可を得てからデータを作成します。

※ご自身でMMD用のモーションを作れる方は、お早めに提出いただければそれを使用することもできます。

(1000フレーム程度・あまり特殊なボーン構成のモデルを使用したモーションは再現できない場合があります)

※壁ドン・添い寝等のモーションは当体験会では取り扱っておりません。

※LeapMotionによる3Dモデルに干渉できる(裾をめくったり髪をいじったりする)体験も提供しておりません。

 

2. 体験会の規模・人数・時間によりますが、Oculusを体験できる時間は、数分~十分程度のことが多いです。

  ほとんどの時間は他人がやっているのを眺めることになります。そのため、多くの体験会では体験後すぐに帰っていただいても良いことになっております。

 また、会場到着が遅くなる、早く帰らなければいけない…などはお気軽にご相談ください。

 

 注意事項

※Oculusは頭にかぶるタイプのガジェットです。高い位置でのアップなどの髪型の場合、装着しにくいことがあります。できれば、避けた方が良いかと思います。

この記事のトップの女性の写真がわかりやすいかと思います。こんな感じでかぶっていただきます。


※メガネは小さいフレームなら中に入りますが、可能な限りコンタクトの方がいいかもしれません(主催は動作確認時はほとんどメガネでやってますので、メガネでも平気です)。
※基本あまり画面が動かないので3D酔いはしにくいと思いますが、苦手な方はご注意ください。

(いままで酔ったという方はほぼゼロです)

両目で見る前提立体視のため、片目の視力が著しく低い場合など、うまく立体視していただけない場合があります。ご了承ください。

 

HeadLookのON/OFFメモ

やりたいと思ってるお友達のためにメモ。

 

アニメーション機能をだいぶ使ったので、単純に出来るはずと思ったHeadLookのオンオフが、上手くいかない。

 

モデルを選択し、Animationタブを開き、新たにプロパティを追加してHeadLookを操ろうとしても、モデル自体のモーションキーだけが表示されてしまい、そこにプロパティを追加できないのだ。

 

というわけで、アニメーションのレイヤー機能を教えてもらった。

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まず、モーションも入れてHeadLookもセッティングまで終わった状態。

Animatorタブを見るとこんな感じになってると思います。

 

左上の「Layers」から新規レイヤーを作ります

 これは1つのモーションに別のモーションを重ねたい時に使う機能らしいです。

「+」のところを押すと、もともとあったBaseLayerに加えてNewLayerってのが出来てます。

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歯車アイコンから小さなウィンドウが出てくるので、Weightを1にします。

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②Projectタブの上で右クリックするとCreateできるので、そこから「Animation」で「New Animation Clip」を作ります。

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これを、モーションデータを移動する時と同じように、Animatorタブの画面にドラッグ・アンド・ドロップします。

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新しく作ったレイヤーの中に、新しいアニメーションのクリップが入った状態。

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そうすると、下のAnimationタブに「New Animation」が加わっているのがわかります。

 

③New Animationを選択するとこのような画面になりますので、「Add Property」から「HeadLookControllerTarget」(バージョンによってはこの名前じゃないかも)の「Effect」の項目を選択し、プロパティを作ります。

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(このEffectってところの右の方に「+」マークが隠れているので、下のバーを動かして+を表示させて押してください。

 

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やっとキーが打てる状態になりました。

これで、「モデルに乗っかってるHeadLookCotrollerのコンポーネントの適用具合をいじれる状態」になったのです。

Hierarchyタブでモデルを選択すると、インスペクタにはずらっとコンポーネントが並びます。HeadLookCotrollerTargetというコンポーネントを探し…

ここの「Effect」という数値が「1」の状態が通常状態。

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(ここでは下の目用の設定は、あんまり動くとおかしいので0.4になってますね)

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この状態でAnimationタブにキーを打っていきます。

上の数値は秒数です。最初は横軸の数値が0:01~とかかもしれませんが、このタイムラインの上でマウスのスクロールホイールを動かすと、軸の数値が広がったり狭まったりします。1:00が1秒なので、動かしやすい軸の設定にしましょう。

縦軸の赤いラインを動きを設定したい部分に持って行きます(横軸の秒数の数字のあたりをクリックします)。そして、キーがあればキーを選択(青くなります)。

キーがなければ、設定したい場所で右クリックすれば「Addkey」の表示が出てキーを打てます。

そのまま、右のインスペクタの「Effect」の数値を変えます。

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0にすればHeadLookが効かなくなるし、0.4とかにすればおさえめな感じに。

 

こんな要領で、タイムライン上のHeadLookの適用度合いを操作することが出来ます。

ただ、このタイムライン、何度も言うけど死ぬほど使いにくいので注意してください。

 

それと、このAnimationタブの下にある「Curves」ってところを押すと、カーブ表示も出来ます。

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便利なようで…便利じゃないようで…便利なような…

使い勝手に関してはコメントを差し控えたいこの機能。便利な時は便利です(察してください)。

勝手に補間をしてくれるのはいいのですが、時々悪さをします。

急激に0→1とかにした場合、カーブが勝手に大きな弧を描いて、自分の中では0→1→0なのになぜか0→1→2→12→2→0とかになってる時があります。

こんな感じ↓ カーブのラインが振りきれて上の方にいっちゃってる。

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そんな時はこうやって、あれになっちゃってるキーの点を右クリックし、「Auto」から「Flat」にします。

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だいたい荒ぶってる部分の両端の点をFlatにすると、落ち着いてくれます。

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ほかにも色々アニメーション機能の罠はあるのですが、とりあえずここまでで。

 

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編3)

初音ミクVRライブ」解説編その3です。

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というか…

「プログラミングが一ミリもできない人が無理やりUnityでなんか作ろうとしたらこうなった記録」

って感じになりましたね。

 

まずは、ステージの構築から。

 

VRライブと言いつつも、ステージらしいステージがあるわけではありません。

重いし、あと結局「本当にライブっぽさを感じる」って相当敷居が高いと思うんですよね…

Unityちゃんライブとか、モーフィアスのミクさんライブとか、それっぽいのはプロにまかせて、私は曲からイメージできる宇宙っぽい、ふわーっとしたもので十分だと思いました。

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それで出来上がったのが、こんな感じ。

 

このコンテンツに使用したオブジェクトは

 

①ミクさん

②足元にあるカプセルっぽいやつ(ここでは見えてない)

③「HATSUNE」のロゴふたつ

④「shakeit!」のロゴ

⑤星が円形に連なった模様(ピンクと青)

⑥ピアノの鍵盤を円形に配置した模様(ここでは見えてない)

 

これだけで、そのうち3Dなのは①と②だけ。

③と④は自分でPhotoshopでこんな感じの素材をつくり、Unity上でSprite化したものです。

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あのさー!!!Spriteってさー!!!便利よなーーーーー!!!

こんな便利なもんあるならはやく言ってよ!!!

 

とすごく思いました。

まああれだ…Spriteって通常はあれね…2Dゲームのアニメーションとかに使うやつらしいですね…こう、ドットアニメっぽいやつとかさ…

そんなことはどうでもよくてですね…私はなんかこう、不自然じゃなく空間上に貼り込める映像みたいなの欲しかったんですよ…

目の前にあるんじゃなくて後ろの方で背景というか賑やかし的に使うなら、これでも全然問題ないやんか~~

しかも適当にシェーダ当てといたら、そんな安っぽい感じにもならんし…!!

これに気付いて、だいぶ楽になりました…(*´∀`*)

⑤⑥も、同じやり方でSprite化しました。

 

これなら重くないし、しかもアニメーション機能を使えば色替え・サイズ替え・シェーダ替え・移動回転も自由自在じゃないですかーーーーー!!!やったー!!!!

 

MMD者の私からすると

「AviUtlの2D編集的に使えるやつキタワアアアアアアアアアアア」って感じだったですね…

 

というわけで、

shakeit!ロゴは消えたり現れたりもするし、アニメーション機能でシェーダをリズムに合わせて替えたりしています。

星の輪も、曲の流れにあわせてゆっくり動かしたり勢い良く回したり、止めたり。

鍵盤の輪は、大きくリズムを刻むところでサイズを大小と変化させることでアクセントを付けています。

全部をチカチカさせすぎるとうるさいので、HATSUNEロゴは特に何もせずそのまま。

 

そう…この話をしないといけないね…

アニメーション機能…ね…

これを教えてもらい、まあ色々ね…オブジェクト動かしたりなんだかんだをタイムラインで管理できるようになったんだけど…

Unityのアニメーション機能ものすごく使いづれえええええええええええ

死ぬほど使いづれええええええええええええええええええええええええ

…っていうのは折に触れ主張していきたいと思います。

 

一見MMDのタイムラインに似てて、これ僕にも出来そう!と思わせるんですが…

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左の「Add Property」ってところで、色んな項目を追加していって、それらを数値やカーブで制御できるんです…(この図ではライトの色や強さを指定してます)

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ほらカーブモードにも出来て!補間の形状も指定できて!!やだ便利!と思うじゃない…?

これが死ぬほど使いづれえええええええええんだよ正味の話がよ!!!

 

いや…あれですよ…

MMDがね…使いやすすぎるんです…

MMDはね…あの機能がメインのアプリケーションであって…使いやすいのは当たり前ですよね…

Unity先生はねほら…死ぬほどいっぱいあって使い切れない機能のうちのごくひとつですからね…

しかもたぶんこれをメインで使ってる人そんなに居ませんからね…

インターフェイスとか使いやすさとか、そんな瑣末なことは世界のUnity先生には関係ないですよね…

だからね…Unity先生は悪くないんですよね…たぶん

 

これね、実際使ったことないと、この死ぬほどかゆいところに手が届かない感は伝わらないと思うので、MMDやってる人ほんと使ってみてください。そして私と飲みましょう。

あえて1つ具体的に指摘するなら

「タイムライン上のスクロール&移動がやりにくすぎ」

矢印キーでタイムライン上移動できるようにしてください(真顔)。

 

あとねもう1個ね、大声で主張しておきたいのはね、

Unityって、「100フレーム目までから200フレーム目までだけ再生して確認したい」っていうのがね、できないの。

できないの。

だからね、3500フレーム目から3560フレーム目までの演出がうまくいってるかどうか確かめたいだけでも、全部最初から再生なの。

この何千フレームもあるコンテンツをね…

いちいち最初から…全部再生しながらね…確認作業するのね…

とても辛いの…

 

というわけで、今度やる時はなんたらエディタとかを…導入してやりたいです…

もっとサクサク作業したいです…

 

最後に、エフェクト(パーティクル)の話です。

 

今回、オブジェクトに容量を割かなかった分、ほとんどパーティクル系エフェクトでの演出にぶち込みました。

アセットストアに汗水たらして働いたお給料を注ぎ込んで、人様のつくった素敵なエフェクトを購入したりしてな!

それらをなんか適当に配置すれば!なんかほら!素敵っぽくなるやん?

もちろん、僕はスクリプトが使えないからね!エフェクトの開始位置指定は全部Start Delayで指定。

ちゃんと音に合ってるかどうか確認するのも、全部最初から再生してさ…

「あ、ほんのちょっとずれてる」→最初から再生

「うーんまだわずかに…」→最初から再生

でもね、なぜかデータ出力すると再生する度にエフェクトの出現時間が違ったり、むしろ出なかったりという現象が発生。

もうね、あきらめた!!

違ってても、むしろそれそういう演出ですから!ってことにした!

案外「ああ、こういう演出もありだな」って思ったりもしたしね!

再生する度にエフェクトの出現具合が違うんだ!おもしろいよ!!

OcuFes会場でモニタを眺めつつ「あ、また出現場所違ってる」「このエフェクト5回に1回くらいしか出現しないな~」と思いながら見てました!!

いまだに理由がわかりません!!

 

前回の記事で言及した「背景を自在に変えられない問題」も、「オーロラのエフェクトのテクスチャをアニメーション機能で切り替える」という手法を使い、背景の空間のビジュアルが何度か切り替わるようになっています。

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これもね、フェード的にじわーっと変えることは出来ないから、パッと変わってしまうんだけども、ミクさんが手を叩いた瞬間に変わるとか、目くらましのエフェクトを出して不自然さを減らす、などの努力をしております。

オーロラのエフェクトは3D的に空間を埋めてくれるので、VR的には悪くない見た目だったのではないかと思います。

スクリーンショットをいくつか撮りましたので、こんな感じになったということを、体験していない方はお確かめください。f:id:emifuwa:20150831214725j:plain

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「プログラミングがまったくできない素人でも、このくらいならなんとかなるよ!」という勇気を皆さんに持っていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編2)

初音ミクVRライブ」解説編その2です。

 

このコンテンツの試作版は、だいぶ以前から作り始めていたものでした。

shake it!の楽曲製作者さんやモーション製作者さん・振り付け製作者さんにOculusでの使用許可をもらい、さて使用できるとなったところで…どうするか。

 

私はもともとMMDでの動画製作者であり、この曲で既に動画を一度製作したことがあります。

(ちなみに、このムービーが収録されているクリィミーマミ30周年記念ムックはこちらです↓)

 

UnityでOculusを使用したVR映像をつくるには、動画作成と同じようにはいかない大きな壁がいくつもあります。

とてもじゃないですが、このムービーのように好き勝手なんでもかんでもしたりはできません。

 

壁① 視界が360度ある

これが一番のネックかもしれません。

通常の仕上がり2D動画では、四角で囲った画面の中だけキレイに見えていればいい。

でも、Oculusではそうはいかない。360度すべて見ることが出来る。

私はMMDの初心者向けのブログや動画を作っており、初心者の方にはよく「見えてないところは直さなくていい!見えてるところだけ修正して演出して、結果キレイに見えればいいんだ!」と言うのですが、それが通用しない体験者は見ようと思えばどこでも見られてしまう。誤魔化すことが出来ない。

MMD動画を製作したことのある方なら、感覚としてわかると思うのですが

・体験者がその時その時でどこを見るかわからない(真上・真後ろ・真横、どこでもカメラが向いてしまう)

・ムービーなら通常見えていない部分でも、体験者が視線を向ける可能性がある

となった時、どのように演出をしますか…?

 

なので、最初の試作品を作った時も、背景は夜空や星空などとし建造物としてのステージは用意しない(完全に視界を囲ってしまわない限り、ステージがどんなに大きくても、体験者には『端っこ』が見えてしまう)ようにしました。

また、豪華な3Dオブジェクトのステージなどを持ってきた場合、これが第二の壁になります。

 

壁② 重い3Dオブジェクトはあまり使えない

「カスタムメイド3D2」の体験話の時にも出ましたが、現状、Oculusで見ることを前提に何かを作る場合、あまり重いオブジェクトをポンポン放り込む、というわけにはいきません。

モデル3人を動かすと苦しいという話の通り、グラフィックボードがかなりのハイレベルでも、入れられるオブジェクトの重さに限りがあります。

MMDで言うならグラボなしのノートで動画つくってる状態」と言えばわかりやすいかな(;´∀`)

2D動画と違い、真上や真下、どこでも見られるということはそれだけ情報量が多い=重いということ。

頂点数の多いステージモデルとモデルを入れ、重いエフェクトを入れたりなんかした日には、Oculusでの見え具合のクオリティが下がります(首を振った時に遅延が生じたりカクカクしたりする)。

それは没入をさまたげ、3D酔いの原因ともなるので、Oculusデモ界隈では明確に避けるべきであるとされています。

モデルは最高でも2体、2体使った場合はそれ以外の3Dオブジェクトの使用はかなり制限される…いわんやエフェクトをや…といったところです。

MMDで動画をつくっている時は、ゲーミングPCのグラボならどんなデカいステージでも入れ放題切り替え放題、モデルも入れ放題、エフェクト入れ放題でしたが、Oculusで見るのには、現状最高峰のハイスペックグラフィックボードでも、モデルを三人以上入れることすら難しい…!!というレベル…

 

壁③ 画面の切り替えが難しい

上に紹介した動画で、私は何度も背景の切り替えをしています。

冒頭だけでも数回。一曲4分を飽きずに見てもらうには、背景やステージをタイミングよく切り替える演出は基本です。

これは、MMDで別出力した動画をAviUtlで編集したりしてこうなっています。

 

しかし、Unityではそれは難しい。動画編集ソフトのようにはいきません。

SCENEというものをいくつか作ってスクリプトで切り替えたりすることは出来ますが、とてもじゃないけど動画編集のように思い通りに切り替えられない(※どちらかといえば、ゲームをやっていて次の場面にいく時に使われるような機能です)。

動画編集ソフトならいとも簡単にできる、フェードを用いた切り替えをするのが非常に困難なのですね…(出来るなら是非教えていただきたいです)

だから、ミクさんをふわーっと雰囲気よく出したり消したりというのもそう簡単ではない。

書き割りの背景やステージや小物がある状態のガレージキットに、フィギュアを立たせた状態を思い浮かべてください。

その前で人が座って見ていて、そのままの状態のまま背景を変えるとなった場合、どうしましょうか…

幕を下ろしたりとか?(色や模様のテクスチャを張ったポリの板を差し替える)しかし、フェードが難しいので、本当に「板が突然出現した」ように見えてしまいます。しかも、360度見えるので、板を300倍とか相当大きくしても、見てる人には「ああ、大きい板があるなあ」ということがわかってしまいます。

じゃあ筒状のポリをかぶせれば!360度という観点ではおかしくないですが、いきなり視界になんか下りてくる、という違和感は一緒です。

オブジェクトの大きさは好きに変えられるので(※MMDの人は、Xファイルみたいなもんだと思ってください)、その辺を駆使すればなんとかなるかもしれない…

ただし、オブジェクトを次から次へ切り替えるのは、重さの問題で難しい…

演出するのが非常に難しい!!!…ということになります。

 

というわけで、色々とウゴウゴした結果

 

①3Dオブジェクトはミクさん一体しかほぼ使わない

厳密に言うと、足の下あたりにあるCapsuleという楕円形の3Dオブジェクトがありますが、それ以外はゼロ。

ステージっぽいアイテムは、2Dで表現しました。

ここを切り詰めた結果、その分パーティクル系エフェクトによって演出する、という方向にシフトすることが出来ました。

②真後ろは捨てる

後ろと、横もあんまり演出はありません。ミクさんが目の前に居ればそれで十分だろ!!

Oculus初めてやる人を想定してつくっているので、真後ろになんか仕掛けたところで見ねーべよ。という割り切りで、演出は正面のみに設定しました。

OcuFes時、Oculus体験に慣れた人は色んなところを見るの面白かったw

③真下も捨てる

試作品では、真下(体験者が床と感じるあたり)に波のエフェクトをつけたり、オブジェクトが上下したりという演出を加えていたりしたのですが、ある方に体験してもらったところ「自分は3D酔いをしやすいので、この程度でも下を見ただけで酔ってしまう」と言われ、床が安定しないように感じる演出も捨てました。

床より下にオブジェクトを並べただけで、体験者は高いところに居るように感じ、効果としては面白いのですが、高所恐怖症の人には向いてないし、それで気分悪くなってライブ楽しんでもらえないのもヤだな~と、自己満足的な演出は捨てました。

真正面だけ!ただミクさんだけを見ていればいい…!!というものになったのです。

 

3D酔いしやすいコンテンツというのは「自分が動かないのにカメラが動き、景色が動く」ものです。このVRライブは体験者は座っていて位置も動きませんが、カメラが不必要に動くこともありえません。よって、3D酔いはまずないコンテンツになったと思います。

 

やっぱり3回になっちゃったか…

次回は具体的にどんな機能を使ってつくったか。

背景切り替えの話と、アニメーション機能とSpriteあたりの話です。

 

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編1)

OcuFesに出展した初音ミクVRライブ shake it!」について、いろいろお話していきたいと思います。

 

これまで体験会で作っていたコンテンツは、基本的に音声はなし。単純なモーションが読み込まれたキャラクターモデルにHeadLookが入っていて、こっちを見てくれる…というのがメインのものです。

 

ですがMMD者の私としては、やはりいつかは「目の前でモデルが踊ってくれる」コンテンツをつくってみたかったし、実際に既に「目の前でモデルが踊ってくれるコンテンツ」というのは存在していました。

 

それらをいくつか見た結果、自分の求めているものと違う点を埋めたものが、今回出来上がったコンテンツです。

以下、既存のコンテンツを体験した上での(※あくまで自分の中だけのですので、他の人はそう感じない可能性大です)違和感。

 

①ダンスをしているモデルが、自分と同じ床の上に居る

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いたたまれない感に苛まれる

 

自分の目の前に立って、モデルがダンスをしているのってこう…何か言うに言われぬ違和感があるのですね。

ダンサーの人が目の前・かつ至近距離で踊っていたらこう…演出がない限り、不思議な感じがしませんか?私はします。

というか実際やってみて違和感があった。特に、激しいダンスモーションだとなおさら。なんだろうこの人…みたいな感じになる…

本当に実際に目の前で自分を煽るように踊ってくれる、とかでない限りは、冷める…

つまり、よほどの演出がない限りは不自然。

あまり場所移動のない、腕を動かすのがメインの昔のアイドル的な振り付けなら違和感が少ないかもしれません。(そういうのも作ってみたい)

(しかし逆に、カスタムメイド3Dの歩きまわるミュージカル風ダンスにはあまり違和感をおぼえませんでした。演出として納得できる線だったのかもしれない)

 

②ダンスをしているモデルが、遠い

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ただ、さみしい

 

うわーライブっぽい!!…でも、遠いな…なんかつまんないな…さみしいな…

自分だけを見てくれる方がお得感ある気がするな~

ロート製薬さんコラボのやつ、美術はすごく素晴らしかったのですけどミクさん遠いな~たまにしかこっち来ないな~さみしいな~という感がすごく強かった。複数人体験型というシステム上仕方ないことなんでしょうが。

ミクさんの投影型ライブを見に行った時も「これならうちで編集された動画見てる方がいいな~」と感じてしまった私なので(席が遠かった)…

 (あと自分がoculusでの映像を見慣れているので、立体に見えるというだけでは驚きを感じなかったからかも)

 

 

 

このような不満点を解消するために、今回のコンテンツはこうなりました。

 

①モデルは自分よりちょっと上に立っている

Unityで位置をほんのわずか上げているだけなんですが、同じ床の上に居るよりは「舞台感」がある(ような気がする)。

②モデルがめちゃくちゃ近いところに居る

ライブで言えば、ほぼ最前列かぶりつきの位置で、自分を見下ろしてくれる(視線をくれる)

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※体験者は座って観賞、それを見下ろすような位置にモデルが立つ

 

モデルが本当に目の前に居るので、体験者の皆さんの多くは「近い!」と驚いてらっしゃいました。

ターンをするところなど、ミクさんのツインテ殴られそうになります

この位置関係の欠点は、体験者が上を向きっぱなしなので、首が疲れること。

現状でのDK2の重さもあって、本当に首が疲れます(;´∀`)製品版になったらきっともっと楽になるよ!!

でも、至近距離で美しいモデルを見上げていると「はあ…ミクさん女神…」という感覚があって、個人的にはいいと思うのです。

 

要素として重要なのは、モデルが「自分を見てくれる」ことです。

 

体験会などで「キャラに出会う」体験を提供してきて、やはり「キャラが自分を見てくれる」(=認識している)という感覚は大事だと理解しています。

通常は「HeadLook」というスクリプトを用いて、Oculusの位置をカメラがトラッキングし体験者の方をモデルが向いている…ようにするのですが、今回はそれを使っていません。

とりあえず単純に、モデルにモーション入れた上でHeadLook入れても、まったく適用されなかったからw

HeadLookは今までにもモーションによっては不思議な挙動になることがあって、今回のように長くいろいろな動きのあるモーションだと、たぶんうまく反映されないのでしょう。

いろいろスクリプトをいじって直すことは出来るようなのですが、そこはそれ!プログラミングが1ミリもできない私なので「じゃあ、MMD側でモーションを調整して、モデルが下見てるみたいにすっか」…と…

 

モーション調整の手順としては、ごく簡単に

 

①両目ボーンを下にする

②頭ボーンか首ボーンを下に向かせる

③上半身2ボーンを前に曲げる

 

というのを愚直に手付けで行って、どうにかなりました。

うまくいくとは思わなかったのですが、体験者を座らせる=動きを制限する ことによって、体験者が立ち上がって大きく移動したりしない限りは、さほど違和感を感じないものになりました。たぶん…(;´∀`)

 

というわけで…HeadLookとかトラッキングとか一切関係なく…

「ただ単にモーション調整してモデルが常に体験者が座っている位置を見下ろしているように『見える』」という…

あまりにも原始的なコンテンツが爆誕したのでした…

 

インタラクティブ要素なくて意味あんの?という向きもあるかもしれませんが

技術的にすごいことをやろうという気はゼロどころかマイナスです(キリッ

Oculusを今までやったことない方が見て、「おお!」となってくれればそれでいい。

今後HMDが普及すればするほど、「単に眺めるだけ」のコンテンツは必要とされると思います。

いっつもゲームやってたら疲れちゃうからね。

 

 

次回は背景とか演出とかその辺のお話。

 

※記事画像には、Tda式ミクさん(に、わかちんさん作の「shake it!」のモーションを読み込んだもの)・ペニシスさん製作黒い人モデルを使用しています。

 

2015夏OcuFesに参加してきました(イベント感想編)

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8/24(月)ベルサール秋葉原にて開催されたG-Tune × AMD OcuFes 2015夏に、出展者として参加して参りました。

 

「アキバ大好き祭り」という日曜・月曜二日間行われるイベントの一部としての開催。

なぜか月曜日開催ということで、一部の出展希望者・参加希望者のブーイングをくらっていましたね…

しかし、終わってみれば「月曜で(まだ)よかったのかも…」という大盛況ぶりでした。

土日だったら、たぶん入場規制が必要になっていたのではないかと思います。

 

今回私がもっていったコンテンツは初音ミクVRライブ」。 

初音ミクさんのネームバリューに加え、「shake it!」という大人気曲を使用…ということで、注目度は高かったのか、おかげさまで常に列が途切れることなく…

開催時間12:00~18:00まで、休むことなくずーっとオペレートしっぱなしでした…

なので、残念ながら他のVRデモを楽しむことは、ほとんどできませんでした。

 

体験できたのはふたつだけ。

前日設営の際にお願いしてやらせていただいた(ありがとうございました!)「カスタムメイド3D」

インターフェイスのデザインや使い勝手がすばらしく、Oculusをつけたままでも楽に操作ができるようになっております。

さすがに商業作品だけあって、背景などもきっちり作りこまれており、促され後ろを振り返ると、おお!と言いたくなるような豪華な室内背景があったりしました。

 

実際に、カスタム画面と、モデル3人がダンスしてくれる部分を見せていただきました。

カスタム画面はとても使いやすく、感心することしきり。

モデル3人ダンスは、今回自分で持っていったのもダンスもののコンテンツなだけに、プロはどのような処理をしているのか気になるところ。

 

「3人踊らせるのは、スペック的には大丈夫なんですか?」

「ちょっと苦しいです」

 

あーやっぱり…

現状のOculusの能力だと、モデルを3人踊らせるのは結構きついです。

データが重くなり、映像のクオリティがやや劣化します。

実際見せていただきましたが、「あー、少し…なってるな…」という感じ。

(※なってる=遅延など、体験クオリティに瑕疵がある状態)

それほど大きな違和感ではありませんでしたが、やはり3人はきついのだな…

 

ダンスの内容は、ちょっとミュージカルっぽい…長椅子が真ん中に置いてあり、その周囲をモデルさんたちが歩きまわりながら歌ってくれます。

これをMMDのモーション付けでやったら相当きついな、というような「歩きまわりモーション」でした。もちろんというか、モーションキャプチャだそうです。

仕上がりは満足度の高いものでした。さすが!という印象。

 

個人的に気になったのは、「モデルさんが実際の人間と同じ縮尺ではない」というところ。

ちょっと小さいんですよね。実際の人間の四分の三くらいの感じかなあ。もっと小さいかも。

ただ、こういった絵柄のキャラクターというのは等身も実際の人間とは違いますし、単純に同じ大きさにはできないと思うので、意図あってのことなのだと思います。

普通のいわゆる萌え的なコンテンツの女の子をそのまま持ってくると、どうしたって「頭でかっ!!」ってなってしまいますので…そのあたりを軽減するための縮尺なのかも。

自分も、キャラ体験コンテンツを作る際にキャラの大きさをどのくらいにするのかは悩むところなので(今はもう一律で、そのモデルの大きさそのままを1.3倍とかにしちゃってますが…)その辺もうちょっと突っ込んで聞いてみたかったな…

 

あともうひとつは、オキュフェス開場前に、おとなりのスペースだったので体験させていただいた(ありがとうございました!)「ODshooter」

Oculusならではの、視界360度で体験できるシューティングゲームです。

ビジュアルはシンプルですが、それがかえって頭に入ってきやすく、プレイしやすい。

私はシューティングゲームをほとんどやったことがないので、終始オタオタしながらのプレイだったのですが、視界右側に出てくる敵を倒したと思うと、今度は左の視界の隅だったり下の方だったり上の方だったり、本当に大きな視野の中で現れる敵を倒すというのは、シューティング好きな人ならかなり惹かれるシチュエーションなのではないかと思いました。慣れてきたら嵌りそう…「次はこっちだろー読んでたぜーフハハハ!」みたいなw

 

ほかにもたくさん試してみたいデモはあったのですが…いかんせん自分のスペースから一歩も出られない状態!

うちのデモは一回が4分近くあるので、回転もどうしても早くすることはできず…

6時間休まず回しっぱなしでも、百人体験するのは無理、せいぜい80人というところ…

Oculusの性質上、多人数いっぺんに体験ができないのが辛いところです。

オペレートも、ある程度「このコンテンツは2分」とか決まっているものならまだいいですが、そういうタイプのコンテンツではない場合、一人に何分もかかってしまうこともままあるわけです。

今後OcuFesの出展者も増え、参加者も増え…となった場合、その辺で大渋滞が起こることは想像に難くありません。

ではどうしたらいいのか…というのは一筋縄ではいきませんが、いくつか意見として出ていた「デモは何分かかるか明確に表示して並ぶ際の指標としてもらう」「最後尾札などの整備」「受付終了もわかりやすく」「列整理の人員配置」(今回スタッフさんの列整理には大変助けられました!ありがとうございました!)など、次回に少しでも生かせることはありそうです。

 

あと、どんなコンテンツかわかってもらうためにポスターだったり説明書きだったりは大事ですよね。

私は今回、ミクさんのポスターを二種類✕3枚持っていって、それを卓上にセッティングしていました(壁に貼るのは禁止だった!)。コピーセンターにデータ持っていって、A3サイズ出力で一枚¥250でした。

ちょうどこちらの記事の下の方、ブースの写真付きでご紹介いただいています。

自分で写真を撮ったりする暇がまったくなかった!!

 

多くのブースはモニタを表側に向けて、「こういうデモやってますよ~」とミラーリングしてらっしゃるのですが、今回このコンテンツではネタばれを避けるため、モニタは表に向けておりませんでした。

デモの種類によってはミラーリング必須ですよね…!!

 

もともと同人畑の人間なので、やはりコミケ的なtipsがいろいろ浮かびます。

やがていろいろとわかりやすいノウハウが確立されるといいな~と思います…