Unity+Oculus+MMD とりあえず書き留めておく場所

Unity+Oculus+MMD VRでキャラクターと遊ぶ

体験会に参加される方への注意事項

私が主催するOculusの体験会に参加される方への注意事項です。

(全ての体験会に共通する事項ではありませんのでご注意を!!)

 

体験会概要

主催はMikuMikuDanceMMD)で主に活動している者です。MMD使用目的で配布されているモデルを、Unityで読み込み、Oculusで見られる映像として出力したものを見ていただきます(※使用の際はモデラーに許可を取っています)。

1. 見ていただくコンテンツは、好きなキャラが目を合わせてくれたり、手を振ってくれたり、その程度の単純な動きしかしません(少数ですがもう少し作りこんであるものもあります)。

 通常、事前に好きなキャラクターやモデルを申告していただき、モデラーに許可を得てからデータを作成します。

※ご自身でMMD用のモーションを作れる方は、お早めに提出いただければそれを使用することもできます。

(1000フレーム程度・あまり特殊なボーン構成のモデルを使用したモーションは再現できない場合があります)

※壁ドン・添い寝等のモーションは当体験会では取り扱っておりません。

※LeapMotionによる3Dモデルに干渉できる(裾をめくったり髪をいじったりする)体験も提供しておりません。

 

2. 体験会の規模・人数・時間によりますが、Oculusを体験できる時間は、数分~十分程度のことが多いです。

  ほとんどの時間は他人がやっているのを眺めることになります。そのため、多くの体験会では体験後すぐに帰っていただいても良いことになっております。

 また、会場到着が遅くなる、早く帰らなければいけない…などはお気軽にご相談ください。

 

 注意事項

※Oculusは頭にかぶるタイプのガジェットです。高い位置でのアップなどの髪型の場合、装着しにくいことがあります。できれば、避けた方が良いかと思います。

この記事のトップの女性の写真がわかりやすいかと思います。こんな感じでかぶっていただきます。


※メガネは小さいフレームなら中に入りますが、可能な限りコンタクトの方がいいかもしれません(主催は動作確認時はほとんどメガネでやってますので、メガネでも平気です)。
※基本あまり画面が動かないので3D酔いはしにくいと思いますが、苦手な方はご注意ください。

(いままで酔ったという方はほぼゼロです)

両目で見る前提立体視のため、片目の視力が著しく低い場合など、うまく立体視していただけない場合があります。ご了承ください。

 

HeadLookのON/OFFメモ

やりたいと思ってるお友達のためにメモ。

 

アニメーション機能をだいぶ使ったので、単純に出来るはずと思ったHeadLookのオンオフが、上手くいかない。

 

モデルを選択し、Animationタブを開き、新たにプロパティを追加してHeadLookを操ろうとしても、モデル自体のモーションキーだけが表示されてしまい、そこにプロパティを追加できないのだ。

 

というわけで、アニメーションのレイヤー機能を教えてもらった。

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まず、モーションも入れてHeadLookもセッティングまで終わった状態。

Animatorタブを見るとこんな感じになってると思います。

 

左上の「Layers」から新規レイヤーを作ります

 これは1つのモーションに別のモーションを重ねたい時に使う機能らしいです。

「+」のところを押すと、もともとあったBaseLayerに加えてNewLayerってのが出来てます。

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歯車アイコンから小さなウィンドウが出てくるので、Weightを1にします。

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②Projectタブの上で右クリックするとCreateできるので、そこから「Animation」で「New Animation Clip」を作ります。

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これを、モーションデータを移動する時と同じように、Animatorタブの画面にドラッグ・アンド・ドロップします。

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新しく作ったレイヤーの中に、新しいアニメーションのクリップが入った状態。

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そうすると、下のAnimationタブに「New Animation」が加わっているのがわかります。

 

③New Animationを選択するとこのような画面になりますので、「Add Property」から「HeadLookControllerTarget」(バージョンによってはこの名前じゃないかも)の「Effect」の項目を選択し、プロパティを作ります。

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(このEffectってところの右の方に「+」マークが隠れているので、下のバーを動かして+を表示させて押してください。

 

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やっとキーが打てる状態になりました。

これで、「モデルに乗っかってるHeadLookCotrollerのコンポーネントの適用具合をいじれる状態」になったのです。

Hierarchyタブでモデルを選択すると、インスペクタにはずらっとコンポーネントが並びます。HeadLookCotrollerTargetというコンポーネントを探し…

ここの「Effect」という数値が「1」の状態が通常状態。

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(ここでは下の目用の設定は、あんまり動くとおかしいので0.4になってますね)

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この状態でAnimationタブにキーを打っていきます。

上の数値は秒数です。最初は横軸の数値が0:01~とかかもしれませんが、このタイムラインの上でマウスのスクロールホイールを動かすと、軸の数値が広がったり狭まったりします。1:00が1秒なので、動かしやすい軸の設定にしましょう。

縦軸の赤いラインを動きを設定したい部分に持って行きます(横軸の秒数の数字のあたりをクリックします)。そして、キーがあればキーを選択(青くなります)。

キーがなければ、設定したい場所で右クリックすれば「Addkey」の表示が出てキーを打てます。

そのまま、右のインスペクタの「Effect」の数値を変えます。

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0にすればHeadLookが効かなくなるし、0.4とかにすればおさえめな感じに。

 

こんな要領で、タイムライン上のHeadLookの適用度合いを操作することが出来ます。

ただ、このタイムライン、何度も言うけど死ぬほど使いにくいので注意してください。

 

それと、このAnimationタブの下にある「Curves」ってところを押すと、カーブ表示も出来ます。

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便利なようで…便利じゃないようで…便利なような…

使い勝手に関してはコメントを差し控えたいこの機能。便利な時は便利です(察してください)。

勝手に補間をしてくれるのはいいのですが、時々悪さをします。

急激に0→1とかにした場合、カーブが勝手に大きな弧を描いて、自分の中では0→1→0なのになぜか0→1→2→12→2→0とかになってる時があります。

こんな感じ↓ カーブのラインが振りきれて上の方にいっちゃってる。

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そんな時はこうやって、あれになっちゃってるキーの点を右クリックし、「Auto」から「Flat」にします。

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だいたい荒ぶってる部分の両端の点をFlatにすると、落ち着いてくれます。

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ほかにも色々アニメーション機能の罠はあるのですが、とりあえずここまでで。

 

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編3)

初音ミクVRライブ」解説編その3です。

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というか…

「プログラミングが一ミリもできない人が無理やりUnityでなんか作ろうとしたらこうなった記録」

って感じになりましたね。

 

まずは、ステージの構築から。

 

VRライブと言いつつも、ステージらしいステージがあるわけではありません。

重いし、あと結局「本当にライブっぽさを感じる」って相当敷居が高いと思うんですよね…

Unityちゃんライブとか、モーフィアスのミクさんライブとか、それっぽいのはプロにまかせて、私は曲からイメージできる宇宙っぽい、ふわーっとしたもので十分だと思いました。

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それで出来上がったのが、こんな感じ。

 

このコンテンツに使用したオブジェクトは

 

①ミクさん

②足元にあるカプセルっぽいやつ(ここでは見えてない)

③「HATSUNE」のロゴふたつ

④「shakeit!」のロゴ

⑤星が円形に連なった模様(ピンクと青)

⑥ピアノの鍵盤を円形に配置した模様(ここでは見えてない)

 

これだけで、そのうち3Dなのは①と②だけ。

③と④は自分でPhotoshopでこんな感じの素材をつくり、Unity上でSprite化したものです。

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あのさー!!!Spriteってさー!!!便利よなーーーーー!!!

こんな便利なもんあるならはやく言ってよ!!!

 

とすごく思いました。

まああれだ…Spriteって通常はあれね…2Dゲームのアニメーションとかに使うやつらしいですね…こう、ドットアニメっぽいやつとかさ…

そんなことはどうでもよくてですね…私はなんかこう、不自然じゃなく空間上に貼り込める映像みたいなの欲しかったんですよ…

目の前にあるんじゃなくて後ろの方で背景というか賑やかし的に使うなら、これでも全然問題ないやんか~~

しかも適当にシェーダ当てといたら、そんな安っぽい感じにもならんし…!!

これに気付いて、だいぶ楽になりました…(*´∀`*)

⑤⑥も、同じやり方でSprite化しました。

 

これなら重くないし、しかもアニメーション機能を使えば色替え・サイズ替え・シェーダ替え・移動回転も自由自在じゃないですかーーーーー!!!やったー!!!!

 

MMD者の私からすると

「AviUtlの2D編集的に使えるやつキタワアアアアアアアアアアア」って感じだったですね…

 

というわけで、

shakeit!ロゴは消えたり現れたりもするし、アニメーション機能でシェーダをリズムに合わせて替えたりしています。

星の輪も、曲の流れにあわせてゆっくり動かしたり勢い良く回したり、止めたり。

鍵盤の輪は、大きくリズムを刻むところでサイズを大小と変化させることでアクセントを付けています。

全部をチカチカさせすぎるとうるさいので、HATSUNEロゴは特に何もせずそのまま。

 

そう…この話をしないといけないね…

アニメーション機能…ね…

これを教えてもらい、まあ色々ね…オブジェクト動かしたりなんだかんだをタイムラインで管理できるようになったんだけど…

Unityのアニメーション機能ものすごく使いづれえええええええええええ

死ぬほど使いづれええええええええええええええええええええええええ

…っていうのは折に触れ主張していきたいと思います。

 

一見MMDのタイムラインに似てて、これ僕にも出来そう!と思わせるんですが…

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左の「Add Property」ってところで、色んな項目を追加していって、それらを数値やカーブで制御できるんです…(この図ではライトの色や強さを指定してます)

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ほらカーブモードにも出来て!補間の形状も指定できて!!やだ便利!と思うじゃない…?

これが死ぬほど使いづれえええええええええんだよ正味の話がよ!!!

 

いや…あれですよ…

MMDがね…使いやすすぎるんです…

MMDはね…あの機能がメインのアプリケーションであって…使いやすいのは当たり前ですよね…

Unity先生はねほら…死ぬほどいっぱいあって使い切れない機能のうちのごくひとつですからね…

しかもたぶんこれをメインで使ってる人そんなに居ませんからね…

インターフェイスとか使いやすさとか、そんな瑣末なことは世界のUnity先生には関係ないですよね…

だからね…Unity先生は悪くないんですよね…たぶん

 

これね、実際使ったことないと、この死ぬほどかゆいところに手が届かない感は伝わらないと思うので、MMDやってる人ほんと使ってみてください。そして私と飲みましょう。

あえて1つ具体的に指摘するなら

「タイムライン上のスクロール&移動がやりにくすぎ」

矢印キーでタイムライン上移動できるようにしてください(真顔)。

 

あとねもう1個ね、大声で主張しておきたいのはね、

Unityって、「100フレーム目までから200フレーム目までだけ再生して確認したい」っていうのがね、できないの。

できないの。

だからね、3500フレーム目から3560フレーム目までの演出がうまくいってるかどうか確かめたいだけでも、全部最初から再生なの。

この何千フレームもあるコンテンツをね…

いちいち最初から…全部再生しながらね…確認作業するのね…

とても辛いの…

 

というわけで、今度やる時はなんたらエディタとかを…導入してやりたいです…

もっとサクサク作業したいです…

 

最後に、エフェクト(パーティクル)の話です。

 

今回、オブジェクトに容量を割かなかった分、ほとんどパーティクル系エフェクトでの演出にぶち込みました。

アセットストアに汗水たらして働いたお給料を注ぎ込んで、人様のつくった素敵なエフェクトを購入したりしてな!

それらをなんか適当に配置すれば!なんかほら!素敵っぽくなるやん?

もちろん、僕はスクリプトが使えないからね!エフェクトの開始位置指定は全部Start Delayで指定。

ちゃんと音に合ってるかどうか確認するのも、全部最初から再生してさ…

「あ、ほんのちょっとずれてる」→最初から再生

「うーんまだわずかに…」→最初から再生

でもね、なぜかデータ出力すると再生する度にエフェクトの出現時間が違ったり、むしろ出なかったりという現象が発生。

もうね、あきらめた!!

違ってても、むしろそれそういう演出ですから!ってことにした!

案外「ああ、こういう演出もありだな」って思ったりもしたしね!

再生する度にエフェクトの出現具合が違うんだ!おもしろいよ!!

OcuFes会場でモニタを眺めつつ「あ、また出現場所違ってる」「このエフェクト5回に1回くらいしか出現しないな~」と思いながら見てました!!

いまだに理由がわかりません!!

 

前回の記事で言及した「背景を自在に変えられない問題」も、「オーロラのエフェクトのテクスチャをアニメーション機能で切り替える」という手法を使い、背景の空間のビジュアルが何度か切り替わるようになっています。

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これもね、フェード的にじわーっと変えることは出来ないから、パッと変わってしまうんだけども、ミクさんが手を叩いた瞬間に変わるとか、目くらましのエフェクトを出して不自然さを減らす、などの努力をしております。

オーロラのエフェクトは3D的に空間を埋めてくれるので、VR的には悪くない見た目だったのではないかと思います。

スクリーンショットをいくつか撮りましたので、こんな感じになったということを、体験していない方はお確かめください。f:id:emifuwa:20150831214725j:plain

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「プログラミングがまったくできない素人でも、このくらいならなんとかなるよ!」という勇気を皆さんに持っていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編2)

初音ミクVRライブ」解説編その2です。

 

このコンテンツの試作版は、だいぶ以前から作り始めていたものでした。

shake it!の楽曲製作者さんやモーション製作者さん・振り付け製作者さんにOculusでの使用許可をもらい、さて使用できるとなったところで…どうするか。

 

私はもともとMMDでの動画製作者であり、この曲で既に動画を一度製作したことがあります。

(ちなみに、このムービーが収録されているクリィミーマミ30周年記念ムックはこちらです↓)

 

UnityでOculusを使用したVR映像をつくるには、動画作成と同じようにはいかない大きな壁がいくつもあります。

とてもじゃないですが、このムービーのように好き勝手なんでもかんでもしたりはできません。

 

壁① 視界が360度ある

これが一番のネックかもしれません。

通常の仕上がり2D動画では、四角で囲った画面の中だけキレイに見えていればいい。

でも、Oculusではそうはいかない。360度すべて見ることが出来る。

私はMMDの初心者向けのブログや動画を作っており、初心者の方にはよく「見えてないところは直さなくていい!見えてるところだけ修正して演出して、結果キレイに見えればいいんだ!」と言うのですが、それが通用しない体験者は見ようと思えばどこでも見られてしまう。誤魔化すことが出来ない。

MMD動画を製作したことのある方なら、感覚としてわかると思うのですが

・体験者がその時その時でどこを見るかわからない(真上・真後ろ・真横、どこでもカメラが向いてしまう)

・ムービーなら通常見えていない部分でも、体験者が視線を向ける可能性がある

となった時、どのように演出をしますか…?

 

なので、最初の試作品を作った時も、背景は夜空や星空などとし建造物としてのステージは用意しない(完全に視界を囲ってしまわない限り、ステージがどんなに大きくても、体験者には『端っこ』が見えてしまう)ようにしました。

また、豪華な3Dオブジェクトのステージなどを持ってきた場合、これが第二の壁になります。

 

壁② 重い3Dオブジェクトはあまり使えない

「カスタムメイド3D2」の体験話の時にも出ましたが、現状、Oculusで見ることを前提に何かを作る場合、あまり重いオブジェクトをポンポン放り込む、というわけにはいきません。

モデル3人を動かすと苦しいという話の通り、グラフィックボードがかなりのハイレベルでも、入れられるオブジェクトの重さに限りがあります。

MMDで言うならグラボなしのノートで動画つくってる状態」と言えばわかりやすいかな(;´∀`)

2D動画と違い、真上や真下、どこでも見られるということはそれだけ情報量が多い=重いということ。

頂点数の多いステージモデルとモデルを入れ、重いエフェクトを入れたりなんかした日には、Oculusでの見え具合のクオリティが下がります(首を振った時に遅延が生じたりカクカクしたりする)。

それは没入をさまたげ、3D酔いの原因ともなるので、Oculusデモ界隈では明確に避けるべきであるとされています。

モデルは最高でも2体、2体使った場合はそれ以外の3Dオブジェクトの使用はかなり制限される…いわんやエフェクトをや…といったところです。

MMDで動画をつくっている時は、ゲーミングPCのグラボならどんなデカいステージでも入れ放題切り替え放題、モデルも入れ放題、エフェクト入れ放題でしたが、Oculusで見るのには、現状最高峰のハイスペックグラフィックボードでも、モデルを三人以上入れることすら難しい…!!というレベル…

 

壁③ 画面の切り替えが難しい

上に紹介した動画で、私は何度も背景の切り替えをしています。

冒頭だけでも数回。一曲4分を飽きずに見てもらうには、背景やステージをタイミングよく切り替える演出は基本です。

これは、MMDで別出力した動画をAviUtlで編集したりしてこうなっています。

 

しかし、Unityではそれは難しい。動画編集ソフトのようにはいきません。

SCENEというものをいくつか作ってスクリプトで切り替えたりすることは出来ますが、とてもじゃないけど動画編集のように思い通りに切り替えられない(※どちらかといえば、ゲームをやっていて次の場面にいく時に使われるような機能です)。

動画編集ソフトならいとも簡単にできる、フェードを用いた切り替えをするのが非常に困難なのですね…(出来るなら是非教えていただきたいです)

だから、ミクさんをふわーっと雰囲気よく出したり消したりというのもそう簡単ではない。

書き割りの背景やステージや小物がある状態のガレージキットに、フィギュアを立たせた状態を思い浮かべてください。

その前で人が座って見ていて、そのままの状態のまま背景を変えるとなった場合、どうしましょうか…

幕を下ろしたりとか?(色や模様のテクスチャを張ったポリの板を差し替える)しかし、フェードが難しいので、本当に「板が突然出現した」ように見えてしまいます。しかも、360度見えるので、板を300倍とか相当大きくしても、見てる人には「ああ、大きい板があるなあ」ということがわかってしまいます。

じゃあ筒状のポリをかぶせれば!360度という観点ではおかしくないですが、いきなり視界になんか下りてくる、という違和感は一緒です。

オブジェクトの大きさは好きに変えられるので(※MMDの人は、Xファイルみたいなもんだと思ってください)、その辺を駆使すればなんとかなるかもしれない…

ただし、オブジェクトを次から次へ切り替えるのは、重さの問題で難しい…

演出するのが非常に難しい!!!…ということになります。

 

というわけで、色々とウゴウゴした結果

 

①3Dオブジェクトはミクさん一体しかほぼ使わない

厳密に言うと、足の下あたりにあるCapsuleという楕円形の3Dオブジェクトがありますが、それ以外はゼロ。

ステージっぽいアイテムは、2Dで表現しました。

ここを切り詰めた結果、その分パーティクル系エフェクトによって演出する、という方向にシフトすることが出来ました。

②真後ろは捨てる

後ろと、横もあんまり演出はありません。ミクさんが目の前に居ればそれで十分だろ!!

Oculus初めてやる人を想定してつくっているので、真後ろになんか仕掛けたところで見ねーべよ。という割り切りで、演出は正面のみに設定しました。

OcuFes時、Oculus体験に慣れた人は色んなところを見るの面白かったw

③真下も捨てる

試作品では、真下(体験者が床と感じるあたり)に波のエフェクトをつけたり、オブジェクトが上下したりという演出を加えていたりしたのですが、ある方に体験してもらったところ「自分は3D酔いをしやすいので、この程度でも下を見ただけで酔ってしまう」と言われ、床が安定しないように感じる演出も捨てました。

床より下にオブジェクトを並べただけで、体験者は高いところに居るように感じ、効果としては面白いのですが、高所恐怖症の人には向いてないし、それで気分悪くなってライブ楽しんでもらえないのもヤだな~と、自己満足的な演出は捨てました。

真正面だけ!ただミクさんだけを見ていればいい…!!というものになったのです。

 

3D酔いしやすいコンテンツというのは「自分が動かないのにカメラが動き、景色が動く」ものです。このVRライブは体験者は座っていて位置も動きませんが、カメラが不必要に動くこともありえません。よって、3D酔いはまずないコンテンツになったと思います。

 

やっぱり3回になっちゃったか…

次回は具体的にどんな機能を使ってつくったか。

背景切り替えの話と、アニメーション機能とSpriteあたりの話です。

 

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編1)

OcuFesに出展した初音ミクVRライブ shake it!」について、いろいろお話していきたいと思います。

 

これまで体験会で作っていたコンテンツは、基本的に音声はなし。単純なモーションが読み込まれたキャラクターモデルにHeadLookが入っていて、こっちを見てくれる…というのがメインのものです。

 

ですがMMD者の私としては、やはりいつかは「目の前でモデルが踊ってくれる」コンテンツをつくってみたかったし、実際に既に「目の前でモデルが踊ってくれるコンテンツ」というのは存在していました。

 

それらをいくつか見た結果、自分の求めているものと違う点を埋めたものが、今回出来上がったコンテンツです。

以下、既存のコンテンツを体験した上での(※あくまで自分の中だけのですので、他の人はそう感じない可能性大です)違和感。

 

①ダンスをしているモデルが、自分と同じ床の上に居る

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いたたまれない感に苛まれる

 

自分の目の前に立って、モデルがダンスをしているのってこう…何か言うに言われぬ違和感があるのですね。

ダンサーの人が目の前・かつ至近距離で踊っていたらこう…演出がない限り、不思議な感じがしませんか?私はします。

というか実際やってみて違和感があった。特に、激しいダンスモーションだとなおさら。なんだろうこの人…みたいな感じになる…

本当に実際に目の前で自分を煽るように踊ってくれる、とかでない限りは、冷める…

つまり、よほどの演出がない限りは不自然。

あまり場所移動のない、腕を動かすのがメインの昔のアイドル的な振り付けなら違和感が少ないかもしれません。(そういうのも作ってみたい)

(しかし逆に、カスタムメイド3Dの歩きまわるミュージカル風ダンスにはあまり違和感をおぼえませんでした。演出として納得できる線だったのかもしれない)

 

②ダンスをしているモデルが、遠い

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ただ、さみしい

 

うわーライブっぽい!!…でも、遠いな…なんかつまんないな…さみしいな…

自分だけを見てくれる方がお得感ある気がするな~

ロート製薬さんコラボのやつ、美術はすごく素晴らしかったのですけどミクさん遠いな~たまにしかこっち来ないな~さみしいな~という感がすごく強かった。複数人体験型というシステム上仕方ないことなんでしょうが。

ミクさんの投影型ライブを見に行った時も「これならうちで編集された動画見てる方がいいな~」と感じてしまった私なので(席が遠かった)…

 (あと自分がoculusでの映像を見慣れているので、立体に見えるというだけでは驚きを感じなかったからかも)

 

 

 

このような不満点を解消するために、今回のコンテンツはこうなりました。

 

①モデルは自分よりちょっと上に立っている

Unityで位置をほんのわずか上げているだけなんですが、同じ床の上に居るよりは「舞台感」がある(ような気がする)。

②モデルがめちゃくちゃ近いところに居る

ライブで言えば、ほぼ最前列かぶりつきの位置で、自分を見下ろしてくれる(視線をくれる)

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※体験者は座って観賞、それを見下ろすような位置にモデルが立つ

 

モデルが本当に目の前に居るので、体験者の皆さんの多くは「近い!」と驚いてらっしゃいました。

ターンをするところなど、ミクさんのツインテ殴られそうになります

この位置関係の欠点は、体験者が上を向きっぱなしなので、首が疲れること。

現状でのDK2の重さもあって、本当に首が疲れます(;´∀`)製品版になったらきっともっと楽になるよ!!

でも、至近距離で美しいモデルを見上げていると「はあ…ミクさん女神…」という感覚があって、個人的にはいいと思うのです。

 

要素として重要なのは、モデルが「自分を見てくれる」ことです。

 

体験会などで「キャラに出会う」体験を提供してきて、やはり「キャラが自分を見てくれる」(=認識している)という感覚は大事だと理解しています。

通常は「HeadLook」というスクリプトを用いて、Oculusの位置をカメラがトラッキングし体験者の方をモデルが向いている…ようにするのですが、今回はそれを使っていません。

とりあえず単純に、モデルにモーション入れた上でHeadLook入れても、まったく適用されなかったからw

HeadLookは今までにもモーションによっては不思議な挙動になることがあって、今回のように長くいろいろな動きのあるモーションだと、たぶんうまく反映されないのでしょう。

いろいろスクリプトをいじって直すことは出来るようなのですが、そこはそれ!プログラミングが1ミリもできない私なので「じゃあ、MMD側でモーションを調整して、モデルが下見てるみたいにすっか」…と…

 

モーション調整の手順としては、ごく簡単に

 

①両目ボーンを下にする

②頭ボーンか首ボーンを下に向かせる

③上半身2ボーンを前に曲げる

 

というのを愚直に手付けで行って、どうにかなりました。

うまくいくとは思わなかったのですが、体験者を座らせる=動きを制限する ことによって、体験者が立ち上がって大きく移動したりしない限りは、さほど違和感を感じないものになりました。たぶん…(;´∀`)

 

というわけで…HeadLookとかトラッキングとか一切関係なく…

「ただ単にモーション調整してモデルが常に体験者が座っている位置を見下ろしているように『見える』」という…

あまりにも原始的なコンテンツが爆誕したのでした…

 

インタラクティブ要素なくて意味あんの?という向きもあるかもしれませんが

技術的にすごいことをやろうという気はゼロどころかマイナスです(キリッ

Oculusを今までやったことない方が見て、「おお!」となってくれればそれでいい。

今後HMDが普及すればするほど、「単に眺めるだけ」のコンテンツは必要とされると思います。

いっつもゲームやってたら疲れちゃうからね。

 

 

次回は背景とか演出とかその辺のお話。

 

※記事画像には、Tda式ミクさん(に、わかちんさん作の「shake it!」のモーションを読み込んだもの)・ペニシスさん製作黒い人モデルを使用しています。

 

2015夏OcuFesに参加してきました(イベント感想編)

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8/24(月)ベルサール秋葉原にて開催されたG-Tune × AMD OcuFes 2015夏に、出展者として参加して参りました。

 

「アキバ大好き祭り」という日曜・月曜二日間行われるイベントの一部としての開催。

なぜか月曜日開催ということで、一部の出展希望者・参加希望者のブーイングをくらっていましたね…

しかし、終わってみれば「月曜で(まだ)よかったのかも…」という大盛況ぶりでした。

土日だったら、たぶん入場規制が必要になっていたのではないかと思います。

 

今回私がもっていったコンテンツは初音ミクVRライブ」。 

初音ミクさんのネームバリューに加え、「shake it!」という大人気曲を使用…ということで、注目度は高かったのか、おかげさまで常に列が途切れることなく…

開催時間12:00~18:00まで、休むことなくずーっとオペレートしっぱなしでした…

なので、残念ながら他のVRデモを楽しむことは、ほとんどできませんでした。

 

体験できたのはふたつだけ。

前日設営の際にお願いしてやらせていただいた(ありがとうございました!)「カスタムメイド3D」

インターフェイスのデザインや使い勝手がすばらしく、Oculusをつけたままでも楽に操作ができるようになっております。

さすがに商業作品だけあって、背景などもきっちり作りこまれており、促され後ろを振り返ると、おお!と言いたくなるような豪華な室内背景があったりしました。

 

実際に、カスタム画面と、モデル3人がダンスしてくれる部分を見せていただきました。

カスタム画面はとても使いやすく、感心することしきり。

モデル3人ダンスは、今回自分で持っていったのもダンスもののコンテンツなだけに、プロはどのような処理をしているのか気になるところ。

 

「3人踊らせるのは、スペック的には大丈夫なんですか?」

「ちょっと苦しいです」

 

あーやっぱり…

現状のOculusの能力だと、モデルを3人踊らせるのは結構きついです。

データが重くなり、映像のクオリティがやや劣化します。

実際見せていただきましたが、「あー、少し…なってるな…」という感じ。

(※なってる=遅延など、体験クオリティに瑕疵がある状態)

それほど大きな違和感ではありませんでしたが、やはり3人はきついのだな…

 

ダンスの内容は、ちょっとミュージカルっぽい…長椅子が真ん中に置いてあり、その周囲をモデルさんたちが歩きまわりながら歌ってくれます。

これをMMDのモーション付けでやったら相当きついな、というような「歩きまわりモーション」でした。もちろんというか、モーションキャプチャだそうです。

仕上がりは満足度の高いものでした。さすが!という印象。

 

個人的に気になったのは、「モデルさんが実際の人間と同じ縮尺ではない」というところ。

ちょっと小さいんですよね。実際の人間の四分の三くらいの感じかなあ。もっと小さいかも。

ただ、こういった絵柄のキャラクターというのは等身も実際の人間とは違いますし、単純に同じ大きさにはできないと思うので、意図あってのことなのだと思います。

普通のいわゆる萌え的なコンテンツの女の子をそのまま持ってくると、どうしたって「頭でかっ!!」ってなってしまいますので…そのあたりを軽減するための縮尺なのかも。

自分も、キャラ体験コンテンツを作る際にキャラの大きさをどのくらいにするのかは悩むところなので(今はもう一律で、そのモデルの大きさそのままを1.3倍とかにしちゃってますが…)その辺もうちょっと突っ込んで聞いてみたかったな…

 

あともうひとつは、オキュフェス開場前に、おとなりのスペースだったので体験させていただいた(ありがとうございました!)「ODshooter」

Oculusならではの、視界360度で体験できるシューティングゲームです。

ビジュアルはシンプルですが、それがかえって頭に入ってきやすく、プレイしやすい。

私はシューティングゲームをほとんどやったことがないので、終始オタオタしながらのプレイだったのですが、視界右側に出てくる敵を倒したと思うと、今度は左の視界の隅だったり下の方だったり上の方だったり、本当に大きな視野の中で現れる敵を倒すというのは、シューティング好きな人ならかなり惹かれるシチュエーションなのではないかと思いました。慣れてきたら嵌りそう…「次はこっちだろー読んでたぜーフハハハ!」みたいなw

 

ほかにもたくさん試してみたいデモはあったのですが…いかんせん自分のスペースから一歩も出られない状態!

うちのデモは一回が4分近くあるので、回転もどうしても早くすることはできず…

6時間休まず回しっぱなしでも、百人体験するのは無理、せいぜい80人というところ…

Oculusの性質上、多人数いっぺんに体験ができないのが辛いところです。

オペレートも、ある程度「このコンテンツは2分」とか決まっているものならまだいいですが、そういうタイプのコンテンツではない場合、一人に何分もかかってしまうこともままあるわけです。

今後OcuFesの出展者も増え、参加者も増え…となった場合、その辺で大渋滞が起こることは想像に難くありません。

ではどうしたらいいのか…というのは一筋縄ではいきませんが、いくつか意見として出ていた「デモは何分かかるか明確に表示して並ぶ際の指標としてもらう」「最後尾札などの整備」「受付終了もわかりやすく」「列整理の人員配置」(今回スタッフさんの列整理には大変助けられました!ありがとうございました!)など、次回に少しでも生かせることはありそうです。

 

あと、どんなコンテンツかわかってもらうためにポスターだったり説明書きだったりは大事ですよね。

私は今回、ミクさんのポスターを二種類✕3枚持っていって、それを卓上にセッティングしていました(壁に貼るのは禁止だった!)。コピーセンターにデータ持っていって、A3サイズ出力で一枚¥250でした。

ちょうどこちらの記事の下の方、ブースの写真付きでご紹介いただいています。

自分で写真を撮ったりする暇がまったくなかった!!

 

多くのブースはモニタを表側に向けて、「こういうデモやってますよ~」とミラーリングしてらっしゃるのですが、今回このコンテンツではネタばれを避けるため、モニタは表に向けておりませんでした。

デモの種類によってはミラーリング必須ですよね…!!

 

もともと同人畑の人間なので、やはりコミケ的なtipsがいろいろ浮かびます。

やがていろいろとわかりやすいノウハウが確立されるといいな~と思います…

 

人は、一番好きなキャラクターが目の前に現れるとどうなってしまうのか

人は、一番好きなキャラクターが目の前に居て、じっと自分を見つめてきたら、どうなってしまうのでしょう。

 

私は「OculusRift」というヘッドマウントディスプレイを使い、MikuMikuDanceという3DPV作成ツール用にユーザーがつくって配布しているモデルをお借りし、「好きなキャラクターの3Dモデルが目の前で自分を見つめてくれる」というコンテンツの体験会を、たまに開催しています。

進撃の巨人展」で話題になった「360°体感シアター 哮」で使われているものとまったく同じものを使っています。

 

「PCのモニタの中に自分が頭を突っ込んで、中を見ている」という感覚が一番近いかもしれません。

体験している様子と、体験者にどんな画像が見えているかを撮影させてもらったものがこちらです。半分くらい見ていただけると感じがわかるかと思います。


OculusRiftDK2で好きなキャラクターに会う動画 - YouTube

 

キャラクターは体験者のちょうど目の前に立っており、背の高いキャラだと見上げる感じ、背の低いキャラなら見下ろす感じになります。キャラクターの身長をリアルに感じられます。

(上の動画ではキャラクターの背があまり高くないのと、体験者がヒールをはいていて背も高いため、ちょうど同じくらいのところに顔がある感じになっています)

モーション(キャラクターの動き)はごくごく単純なものしか入れていません。

基本パターンは2つあり、笑顔で手を振ってくるタイプと、いわゆるツンデレキャラ用(目をあまり合わせてくれない)とあります。どちらにも当てはまらないキャラクターの場合は、専用でモーションをつくったりすることもあります。

 

 私は別にOculus社の回し者でもなんでもなく…この体験会によってまったくお金を儲けてはいないのですが(むしろ、交通費、機材費その他もろもろすっごくお金がかかっていますし、体験者には基本会場費しか負担してもらっていません)

ではなんでこんなことをやっているのかと言いますと。

一番好きなキャラクターと初めて出会った人の反応というのが、ものすごく面白いものだからです。

 

もちろん、この体験で「本当に好きなキャラクターに出会っている」わけではありません。

二次創作的に作られた既存のキャラクターモデルにモーションをつけたものをPCで再生しているだけだし、それに「体験者が装着しているヘッドマウントディスプレイの位置をモデルの顔が追っかけるスクリプト」(なので、体験者の方をじっと見ているように感じられる)を入れただけのものです。

ですが、多くの方は非常に激しい反応をしてくれます。足がすくんでモデルに近づけない人、倒れ伏す人、話しかける人、泣き出す人も居ます。

 

それを間近で見るのがあまりに面白すぎるので、10キロ以上ある機材の入ったキャリーケースを転がし、いままで300人以上の方(ほぼ女性)に体験していただきました。

それらの経験をもとに「人は好きなキャラクターに出会った時にどういう反応をするか」の主なタイプ分類を紹介していきたいと思います。

 

※私が開催している体験会はほぼ女性オンリーの体験会の為、「女性の場合の反応分類」になります。

 

1. 近づけない人

 

全体の中でもかなり多いタイプの反応です。

だいたい、キャラクターが体験者と1mくらい離れた場所に立っているような設定になっていますが、キャラクターの姿を視界に認識した途端に後ずさります。

Oculusは、体験者の正面に置いてあるカメラで体験者(の装着しているHMD)の位置を認識しているので、カメラの位置からあまり離れると、映像に「カメラの認識範囲から出ちゃってるよ!」という警告文が表示されますが、この警告文が表示されっぱなしになるタイプの人です。

キャラクターの姿をまともに見ることができず、腰がひけてどんどん後ろにいき、「無理!無理です!」とあえぐように声を振り絞る。

 

ただ、慣れてくるとだんだん近づいて見られるようになる人も多いです。初めて!の時に非常に多い反応。

また、「一番好きなキャラ」だと何度見ても直視できないのに、二番目に好きなキャラクターだと問題なくスーッと寄っていってニコニコしながら見ているというパターンもあり、興味深いです。

 

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2. 不動&無言で見つめる人

 

一見無反応ですが、よく見ると顔(口元)がものすごい笑顔なのがこのタイプの特徴です。

Oculusではキャラクターに近づけば実際に人に近づいたように距離が縮まりますし、横の角度から見ても顔が体験者を追っかけてくれるのがひとつの特徴でもありますが、ほぼ不動で真正面でただずーっと見つめ合っています。よく見ると、手が震えていたりもします。

あとから感想を聞くと「静かだったと思いますけど心の中は嵐でした」という方が複数

終わったあとに反芻して泣き出す人も居ます。

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3. 話しかける人

 

実際そこにキャラクターが居るように話しかける人も多いです。

一番多いのは

 

「こんにちは」

「は、はじめまして…」

「いつもお世話になっております…」

(挨拶)

 

「ごめんなさい」

「すいません」

(※同人活動をやっている人などが「いつも◯◯しててすいません~」「妄想しててすいません」などと謝るケースもあるが、自分がキャラクターと相対していること自体が恐れ多くて「(自分なんかのことを見てくれちゃって)すいません」というケースが非常に多い)

 

スポーツ漫画のキャラクターに対して

インターハイ出場おめでとう…」

 

アニメ放送がはじまったキャラクターに対して

「アニメ見るからね!!」

 

社会人のキャラクターに対して

「お仕事がんばってください」

 

芸能人のキャラクターに対して

「応援してます」

 

など、キャラクターの世界観の中で話しかけるパターン。

 

そのほかにも、分類不可能なほどいろいろなパターンでキャラクターに話しかける人が居ます。ずーっと何かしら喋りかけている人も。

人によって妄想の世界がものすごくて、とても字には起こせない…というのもたくさんあります…

 

4. いろんな角度から見ようとする人

 

一番アクティブなタイプです。

この立体視体験を楽しみ、どうなっているのか興味があり、いろいろ試してみる人。

アップギリギリまで近づいたり、しゃがんでみたり椅子に乗って見下ろしてみたり、キャラクターの背中側を見たがったりと好奇心旺盛。

だいたいの人は「へえー!へえー!すごーい!」と感想を言いながら楽しんでくれている様子。

比較的冷静な「観察型」もここに分類されます。

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中腰でモデルの周囲をくるくる動き回るため、次の日筋肉痛になる人が多数(※オキュ痛と呼んでいます)。

 

 

 

というわけで、好きなキャラクターに女性が出会った場合の反応は、主に以上の4タイプになります。

 

もちろん、各種の複合型や、軽く発狂する奇行種タイプ(本気の悲鳴や奇声をあげる、椅子から落ちる、泣く、わめく、ジャンプする、激しくリズムを取る、キャラを罵りあとで反省する…など多種多様)倒れ伏して虫の息になるドクターストップ型などまったく様々な反応があります。

 

体験の様子をずっと見ていて思ったのは、体験者のキャラクターとの距離の取り方が如実に現れるのだなあということ。

どんなになだめすかしても、大好きなキャラクターに近づけない人。

悲鳴をあげてしゃがみこんでしまう人が居ると思えば、躊躇なく近寄って抱きつこうとしたり、積極的に話しかける(答えてくれるわけでもないのに!)人も居ます。

 

また、キャラクターが必ず体験者の方をじっと見つめる(正確には頭がそっちを向く)ようになっているので、それが辛くてしょうがないという人も少なからず居ます。

「自分のことなんか見ないでほしい!」「自分の方を見ないバージョンをつくってほしい」という要望も非常に多いです。

PC側で操作をしてキャラクターの背中側の方を映すと体験者がキャラクターの頭の向きから外れるので、そうするとあからさまにホッとする人も多いです。「ずっと見られていると落ち着かない」んですね…

(※ただ、この体験者を見つめてくる仕様が体験する上でのキャラクターの実在感をあげているので、これを取り除くとまたちょっと性質の違うコンテンツにはなってしまいます…)

あとは、「好きなキャラ二人が仲良くしてるところを遠くから見つめたい」要望も、もちろん最初から想像できていましたが、多く寄せられています。

 

はじめた頃はまったく想像も出来なかったことですが、現在このオキュラス体験会では「体験者が体験する様子を動画で撮影しあい、それを見て楽しむ」という流行がはじまっています。

友達のあの子が大好きなあのキャラに出会ったらどんな反応をするのか?

地団駄踏む人、膝をついて拝む人、泣き出す人、爆笑する人、ひたすら話しかけてる人。

自分がいったいどんな反応をするか想像がつかないのも面白い(自分は固まって動かないorどうなってるか観察するだろうと予想する人が一番多いのですが、そういう人に限って予想もつかないような爆発的な反応をしたりします)。

それが面白くて、「自分は体験をしなくてもいいから体験する人を見に行きたい」という人も。

 

体験会は十~数十人集まってもらい、2~3時間で1人ずつ体験してもらうものなので、実際に自分が体験している時間は、せいぜい5~10分。それ以外の時間はすべて他の人の体験する様子を眺めているだけになってしまうのですが、「退屈だった」という声はほとんど聞かれません。

体験する人の様子が、面白いのです。

 

基本私の体験会はほぼ「女性オンリー」の体験会としているため、気兼ねなく騒ぐことが出来ます(男性が居るとダメ、という人も少なからず居るので)。

また、「全員がオタク」であり、仮にジャンルが違ったとしても、好きなキャラクターを目の前にして騒ぐ姿を見せ合った…という…何か不思議にピースフルな空間になっているのが現状です…

名古屋で開催した際、体験者60人くらいが参加し、Oculus2台で回していたのですが、ほかの人が体験している時も、その人がどんな映像を見ているのか、待っている人に見られるようにしています(ノートパソコンのモニタにミラーリングし、列の方に向けている)。

そこに自分たちの好きなキャラクターが映ったり、手を振ったりするだけで、待っている方々も「キャー!!」となったり。さながら本当にアイドルに会える握手会のようでもあります。

 

また、体験が終わったあとも、初めての視覚刺激体験だからなのでしょう。

幻覚のように見た映像がまぶたの裏に蘇ってきたり夢に見たり(※私も初めて見た時は夢に見ました)する方が非常に多いです。

また、終わったあとは非常に疲れるようです。体験中興奮と緊張で体温はあがり、HMDの中のレンズが曇るので、やる度に拭いたりもします(涙で見えなくなってしまう人も)。

変な姿勢で緊張しながら相対するので、前に述べたように変なところが筋肉痛になるケースもあります。

 

誰かが好きなキャラクターに出会うその瞬間を目の当たりにできる。

 

それを見るだけでも、事前にリクエストのあったキャラクターのデータをそれぞれ準備し、重い機材運んで体験会を開催する価値はある…と、やる度に思うのでした。

 

 

※今回、男性が体験した場合についてはふれていませんが、女性が体験した場合のように激烈な反応になることは稀です。ひたすら観察、眺め回すタイプの人がほとんどのようです。

 

(※文中に使用した画像には、rocoさん製作イギリスモデル・ペニシスさん製作黒い人モデル・カブッP製作バーテーブル&チェアーモデルをお借りしております)

(※この体験会は、主催がまったくの趣味で自分の仕事が休みの時に気まぐれに開催するものです。お問い合わせなどはTwitter(@emifuwa)か、h_utah@excite.co.jpまで)

 

MMD製作者の方々が、自分の体験風景を動画にしてくれたもの

 

↓とぅぎゃったーまとめ


名古屋Oculusゆるふわ体験会まとめ - Togetterまとめ

 

何度も会場としてお世話になった、銀座のチーパズカフェさん。


チーパズカフェ (CHEEPA'S CAFE) - 銀座/喫茶店 [食べログ]

いつも階下に悲痛な叫び声とか喘ぎ声を響かせたり、時間足りなくて延長させてもらったりして…すごく…お世話になっております…

特撮のフィギュアや昔のおもちゃなどがいっぱいで、ただ立ち寄るだけでもオタクの人にとっては楽しい空間ではないかと思います!