Oculus Rift CV1とUnityを使用して、MMDモデルをVRで見る ー環境の構築と、MMDユーザーからのよくある質問
普段、こんな感じで「MMDモデルをVRで眺める」体験会をやっております。
いつか詳細な記事を書くとして、「できるかな?やりたいかも?」と思っている、主にMMDユーザーへの「私がやってる作業の流れはこんな感じ」記事です。
※なお、当コンテンツは「MMDに対する知識がある程度あり、それなりに扱える」つまりMMDユーザーが読むことを前提に書かれています。
MMDの操作に関する知識が無い方はこちら、初心者向けMMD操作解説ブログをご参照ください。こちらのブログも筆者が運営しております。
MMDにあまり詳しくない方へ
MMDモデルの多くは商用利用が不可となっております。商用利用を念頭に置いている方は必ずモデルに同梱の利用規約の確認をお願いします。
また、MMD以外での利用が不可のモデル・保存形式変換不可のモデル・VR不可のモデル・性的な表現や暴力的な表現不可のモデルなどもありますので、繰り返しますが必ず利用規約を確認してから使用してください。
規約を無視してモデルを使用しても、要らぬトラブルを招くだけで、あなたにとっていい結果には決してなりませんので、おすすめしません。
自分の好きなことを文句言われずにやりたい場合は、無料配布のMMDモデルを使わずに、お金を出してモデルを発注するか、自分でモデリングするのが良いでしょう。
また、基本的にここではスクリプトをあまり使用しません。
モーションも、MMDで作成できるモーション(vmd形式)のものを使用する前提で説明します。
vmdの再現性を重視するため、Animationの形式はHumanoid(vmd以外にもHumanoidモーションに対応)ではなく、Generic(vmdの再現性重視、ただし Humanoidモーションは再生できない)前提で解説します。
なので、 Humanoidモーションに関する説明は一切しません。Final IKとかも使いません。完全にガラパゴスですのでよろしくお願いします。
概要としては
①Unityの画面構成のおおまかな説明・使い方
②MMDのモデルを読み込み、vmd形式のモーションを再生する
③HeadLookControllerを使用した「モデルがカメラの方を向く」状態の実装
④照明についての解説・ Post Processing Stackを使用したエフェクト効果の解説・余裕があればパーティクルシステムとか・その他ビジュアル回りの解説を簡易に(自分のためにも英語の項目を全部日本語化して説明した資料を作りたい)
といった内容になると思われます。
MMDモデルをSceneに配置し、モーションを再生できる状態にし、場面の照明効果や色調補正のやり方がわかる…といったあたりがゴールでしょうか。
それ以上やりたい方は、ご自身でいろいろ調べて先に進むと良いと思います。
(余裕があればもうちょっと色々解説したいです…書いてみて、ここでこういうのやりたい!と思ったらやるかもしれない…)
まずは、環境構築から。
①ハイエンドHMDを手に入れる
現在、VRを楽しむためのガジェットとして、主に
1.モバイルVR・スマートフォンを装着して映像を見る
※¥1000~¥10000以上・スマートフォンが必要・安価で手軽、位置トラッキングなし
2.デスクトップVR・PCに接続して映像を見る
※¥50000~¥80000以上・対応PCが必要・高価だが没入感が高い・位置トラッキングがあり空間の中で移動ができる
以上の二種類があります。
今回は、2番目の「PCに接続して映像を見るヘッドマウントディスプレイ(HMD)」を使用する場合のお話になります。
筆者が使用しているのはOculus Rift CV1(2017年11月現在、5万円にて購入可能)
Oculus touchと呼ばれるコントローラも同梱でこの値段なので、だいぶ安くなりました…
※購入は必ず上の本家サイトから!現時点では残念ながら家電量販店などでは購入できません。Amazonなどで高額転売されているケースあり・保証も受けられず割高でメリットなし!
Rift以外に入手しやすいのは「HTC Vive」(2017年11月現在8万弱。やや高価だが入手しやすい。VRアトラクション施設などで良く利用されている。一番売れていたがCV1の値下げにより拮抗状態らしい)「Windows MR」(2017年11月現在5~6万。発売したてで情報が少ないが、比較的安価で入手が容易。日本語対応。まだあんまりおすすめしない…)など。
Riftのセットアップは英語ですが、たくさんのウェブサイトでセットアップ方法を記事にしているので、そちらを参照しながら臨めば引っかかる部分はあまりなく、スムーズ。
しかしながら発売当時と現在では同梱物が異なったりしているため、比較的新しめの記事を探すのがいいと思います。
こちらは発売当時の記事です。
現在は「Remote」と「XBOXコントローラ」は付属しておらず、「Oculus touch」が付属しています。
こちらは「touch」のセットアップについて。
また、Oculusには無料で楽しめるVRコンテンツがいくつか用意されています。
自作のコンテンツに向かう前に、プロが作った質の高いコンテンツを楽しむのもおすすめです。※英語のみのコンテンツが多いですが、ここで紹介したものは英語がそれほどわからなくてもなんとかなるレベルです。
VR初心者向け
「Oculus Dreamdeck」(一番最初に流れるVRコンテンツ詰め合わせ)
「First Contact」(touchのチュートリアル。かなりいい出来)
「Google Earth VR」(世界の上空を思う様飛び回れます)
「COCO VR」(「リメンバー・ミー」というディズニー・ピクサー映画の宣伝用コンテンツですがものすごく良く出来ていて超おすすめ!ガイコツキャラクターになって死者の街を散策できます)
「Bullet Train」(銃を手に取り敵を撃つゲーム。特徴的なのは、「敵の弾がものすごくスローに見えるので、避けたり取ったり出来る」というところ。ビジュアル表現が面白いし、判定も甘々で簡単にクリアできると思いますので是非!)
現在テスター募集中の「Play Animaker」も、MMD者には馴染みのあるTda式ミクさんが登場しており、ミクさんになったりミクさんを動かしたりして楽しめます。
PlayAniMaker : Miku ver.(テスター登録ページ)
Steam経由で無料ダウンロードできる「The Lab」も、とてもおすすめです。いくつかのミニゲームの詰め合わせ。個人的には矢を射るゲームが好きです。
有料のものでは、「AirTone」(全身使える音ゲー)「Rez Infinite」(映像が美しい音楽シューティングゲーム)「Tilt Brush」(空間に絵を描ける)あたりが個人的におすすめです。
音ゲー2つは難度も低く(高い設定にも出来ます)、ゲーム苦手な私でもハマって楽しめました。
「Tilt Brush」は絵心ある無いに関わらず、ただ落書きをするだけで楽しいです。
それと、これからUnityを使用して自分でコンテンツを作るにあたって、「Oculusで自作のコンテンツを見られる設定」にしましょう。
Riftの設定をする際に使用した、Oculusのアプリケーションを開きます。
ここでは「Store」でコンテンツを入手したり、入手したものを「Library」から見たり、その他セッティングなどが出来るようになっています。
右上の歯車アイコンから「Setting」を選択し、左の「General」のタブを選択。
一番上の「Unknown sources」をオンにします(デフォルトではオフ)。
これは、端的に言えば「ストアで流通してるやつだけじゃなく、野良で作られたアプリも見られるようにする」ということです。
これをオンにしないと、自分で出力したコンテンツが見られないことになりますのでご注意を。
※歯車アイコン「Setting」からは、「Devices」タブでRift本体やセンサーの接続状況を確認したり、「Devices」タブの右上「Configure Rift」から、センサーのセットアップ・touchのペアリング、床からの距離の計測などが出来るようになっています。
②CV1を使用できるPC環境を手に入れる
基本的には「高い性能のグラフィックボードを積んだWindowsPC」が必要です。
BTOパソコンを買えるショップなどでは「VR対応」と銘打って発売されている機種も多数あり。「VR Ready」などの表示がされています。
Oculus Rift CV1推奨環境は以下の通り。
グラフィックボード:NVIDIA GTX 970及びAMD 290 以上
CPU:Intel Core i5-4590 以上
メモリ:8GB 以上
映像出力:HDMI 1.3
USB端子:USB3.0が3つ(+USB2.0が1つ)
OS:Windows 7 SP1以降(できればWindows10で64bit推奨)
満たさない場合は視聴クオリティに問題が生じたり、そもそも見られなかったりするので注意。
基本的にはデスクトップでの使用になると思われますが、外でデモをしたいなどの理由からノートPCを購入したい場合は特に注意。ショップに確認するが吉。
(↑自分のPCが推奨スペックに達しているか確認できるツールがDLできる)
2017年11月現在で、最も安価なデスクトップモデルで10万円くらいから購入可能。
ノートPCの場合はそれより割高になるでしょう。
↑ここで紹介されてるLITTLEGEARは、持ち運びに便利な取っ手がついててコンパクトなので、デスクトップですがデモ用に使用してる人も居ます。
③Unityを入手する
Unityは現在広く使われているゲーム開発エンジンです。ゲームを作れるアプリケーションだと思ってもらえば差し支えありません(ちなみにポケモンGOやスーパーマリオランなどもUnityで作られている)。
Proでなければ無料で使用可能。趣味で使うなら問題ありません。
(※Personal(無料版)の使用条件は、個人:制作物の年間総収入$200,000以下/法人:$100,000以下であること。Unityでの制作物の売り上げが生じないホビー用途ならPersonalでOK、売り上げがあったとしても個人利用は2000万超えなければPersonalを使用してOKということになります)
↑上のページの「Personal(無料)」からダウンロード…ですが、同ページを下にスクロールして「詳細→過去のバージョンのUnity」からダウンロードするのがいいかも。
筆者は現在、比較的安定している「ver.5.6.2p4」をメインに使用しています。
Unity.5.xのタブの一番上から入手できます。
Unityを開くと「ぜんぶえいごだよおお…しかもなんかすっごいすっごいいっぱい色々あるよお…」となるかもしれませんが、「いっぱい色々あるやつ」を全部わかって仕事してるプロもそうそう居ないレベルなので、気にしないでください。わかるとこだけわかればいい。
④MMD4Mecanimを入手する
UnityにMMDモデルを読み込むためのプラグイン「MMD4Mecanim」を以下のサイトからダウンロードします。
スクロールしていって下の方にある「MMD4Mecanim Beta~」と書いてあるzipファイルのリンクから。
Unityを起動した状態でインポート(色んなやり方があるけど、とても簡単。同梱のチュートリアル基本編のpdfにやり方が書いてある)。
インポートが終了すると、Riftが既に接続されセットアップ済なら、とりあえずこれで「RiftでMMDモデルを見られる」状態になる。
この後の流れをざっくり書くと(本当にざっくりなので、後の記事でうるさいくらい解説します)
→MMDモデルとモーションを準備する(モーションはなくても読み込むだけでも出来る)
→モデルのフォルダにモーションデータ(vmdファイル)を入れておき、フォルダごとUnityの画面上にドラッグアンドドロップする
→Unity上でMMDモデル(+モーションデータ)を表示できる状態に変換する(この時モデルの利用規約が表示され、「規約に同意した上で使用してください」などのチェック項目にチェックを入れます)
→作業画面に変換したモデルを乗せる
→モデルと一緒に変換されたモーションデータを作業画面のモデルに乗せる(D&D)
→再生する
→ウゴイタアアア!!しかもRiftで見られる!!
(※UnityをVRモードにしていれば、出力しなくても作業画面上で再生すればVRで見られる)
という感じになっております。
よくある質問
・MMD動画をそのままVRで見られるの?
2Dムービーとしてアップロードされている映像を3Dで見ることは出来ません。出来たらすごい…
VR用のデータはVR用に作成する必要があります。
通常の2Dムービーと違い、体験者がどこを見るかわからない(360度どこでも見られる)のに見た場所すべてをレンダリングしないといけないので、非常に重いデータになります。なので、ハイスペックなPCが必要なのです。
・MMEは使えないの?
Unity上でデータを作っているので、当然ながらMMDのエフェクトは使えません。
Unityの中で使えるエフェクトは使えます。
パーティクル系などは、「パーティクルシステム」と呼ばれる機能を使い、自分で作ることが出来ます。
ただし、使用している変換プラグインは「MMD上で表示されるのと同じように表示する」ことになっているため、SSAOのようなエフェクトをUnity上で使用しても、モデルに反映されないことがあります(Unity上でシェーダ変更をすることで適用可能)。
オーバーレイや色調補正などに関しては、ある意味MMDよりかなり自由に設定することが出来ます。
参考:Unity - マニュアル: Post-processing スタック
また、照明の自由度はMMDより遥かに高いですが、もちろん度を越せば重くなります。
カスタマイズすれば、ビジュアル表現の自由度はかなり高いです。
(私はトゥーン系にもフォトリアルにもあまり魅力を感じないのでビジュアルはそっち系に寄せませんが、もちろんやろうと思えばそういう描写も出来ます)
・MMDのステージは使えるの?
MMD4Mechanimが「pmd/pmxモデルを変換するプラグイン」なので、pmd/pmxモデルならそのまま変換して使えます。xファイルは使用できませんが、pmd/pmxファイルやfbxファイルやobjファイルに出力し直せば使えることになります。
参考:Unity - マニュアル: 3D アプリケーションからモデルをインポートする方法
大きいファイルは当然重くなります。
(ちなみに、pmxファイルのステージのモーフなどは再現されないことが多いです…)
また、Unityには「アセットストア」と呼ばれるストアがあり、ユーザーが作った3Dモデルが無料/有料で販売されています。
私が現在作成しているデータの背景のほとんどは、こちらで購入した部屋や建造物のアセットを使用しています。
https://www.assetstore.unity3d.com/jp/
もちろん、自作できる方はガンガン自作するといいと思います。
空に関しては、MMDで言うところの「スカイドーム」と似たような「スカイボックス」というものがあります。
スカイドームを転用することはできませんが、こちらもアセットストアで様々な種類のものを入手することが出来ます。
ちなみに、パーティクルやエフェクト、テクスチャなどもこちらで入手することが出来ます。
あえて気をつけるとすれば、Unityのバージョンによって使えたり使えなかったりするものがあるので、そのあたりでしょうか(古すぎて使えない・新しすぎて使えない両方ある)。
・MMDモデルはちゃんと表示されるの?
だいたい良い具合に表示されますが、ものによってはテクスチャやtoonが反映されないなどの不具合が生じることがあります(※対応策あり)。
また、モーフなどもものによっては再現できない場合があります(通常の表情モーフなどはほぼ再現可能)。
どうしても解せない不具合が出る場合は、相談に乗れます。
MMD世界よりも少し小さく表示されるため、Unity内ではモデルの大きさを1.2~1.3倍くらいにするとちょうど良いです(モデルの大きさは簡単に変えられます)。
・視野角は調整できるの?
Riftの視野角は110度固定ですが、これは「映像の見える範囲」という意味で、MMDで言うところの視野角とは意味が違います。
なのでもちろんMMDでの視野角110度の状態で見えるわけではありませんが、やはりMMDユーザーからするとやや広角気味には見えます。体感で言えば40度くらいでしょうか。
では顔が歪んで見えるか…と言えば、VRでの見え方と2Dムービーでの見え方を同一に語ることはなかなか難しいです。
モデルの着ているアウターとインナーの隙間が広めに感じられたり、全体的に奥行きを強調された感じに映ります。
・モーションはちゃんと再現できるの?
現在かなり再現性は高いですが、完全に完全です!ということではないです。
IKがらみで引っかかることがたまにあります。腕IKとかは避けた方がいいかも…
・外部親機能は使えるの?
MMDじゃないので使えません。
剣を持ったアクションなどをやりたい場合、pmxエディタなどでモデルの手に剣をくっつけてしまう方をおすすめします。
・物理演算は?
MMDの物理の完全再現は無理です><
袖や裾がバサバサ系は辛いかもしれません…
MMMなどを使用して、モーションで物理焼き込みをしてしまえばOKです。
・モデルに触ることはできるの?
「触って質感を感じる」ことが出来るようになれば、すごいことになるでしょうね…
現在可能なのは「Riftに付属している左右コントローラー(Oculus touch)に左手右手を割り当て→コントローラを手にしてモデルに触れ、髪や服の裾を揺らす」といった感じになりますが、個人的にあまり魅力を感じないのと作業量が増えるので体験会用のデータにはやっていません。
やろうと思えば「任意の箇所に触れると表情を変える・モーションを変える」なども出来ます。
●YouTubeにアップされている360度動画とどう違うの?
違うところは色々ありますが、最も大きいのは「位置トラッキングがある/ない」でしょう。
RiftなどのハイエンドHMDは、センサーによって体験者の位置を把握します。
なので、目の前に居るモデルに近づこうとすれば近づけますし、自分が後退すればモデルは遠ざかります。
ですが、センサーなしのVRスコープで見た場合、体験者が動けば映像もそのままついてきてしまいます。
個人的には位置トラッキングがある方が好きなので、こちらの道には進みませんでした…
ただ、重いPCを持ち歩かなくてもよく、気軽にどこでも楽しめるという点では優れています。
・メガネをかけていても使える?
一応メガネは中に入ります。あまり横幅の広いものだと入らない可能性もありますが、ほぼ大丈夫かと…
最近の作業はずっとメガネでやってます。とは言え、コンタクトにした方が楽ではありますが…
ちなみに、ViveはRiftよりもゴーグル内のスペースが広く、メガネが中に入りやすいです。
のちのちはメガネなしでも使えるようにしてほしいところ。
(とりあえずこんなところですが、「こういうことが知りたい!」「これ書き方が間違ってない?」「これも書き足した方が…」などあれば是非お寄せください)
お台場・VR ZONEに行ってきた
お台場ダイバーシティに期間限定でオープンしたVR体験施設「VR ZONE」体験して参りました!
いろいろと興味深かったので、記事として残しておこうと思います。
台場駅から5分ほど歩き、ダイバーシティの入り口入ってすぐ、わかりやすいところにあります。
こちらは予約制で、予約をしていない人は(少なくとも今のところ)入れません。
一ヶ月前くらいまで埋まってしまっていますが、まめにチェックしていると、かなり変動します。キャンセルする人が居るからです。
今回は日曜日の朝にチェックしたら、偶然空いた瞬間に遭遇し、ひとり分滑りこむことが出来ました。
指定された時間に施設の前に集合。
受付の前に並んでスタッフの指示を待ちます。
5分前くらいにスタッフから「こういう方は体験できません」という注意事項。
年齢制限や体調不良、その他もろもろの体験制限事項の説明を聞き、専用のカードにバナコインという通貨をチャージして、雪崩れるように施設内へ。
写真を撮ってもOK、ネットにアップしてもOKということで、何枚か写真も。
入ってすぐの場所はこんな感じで、パックマンのグッズなどが置いてあります。
白と黒を基調にしたスタイリッシュな内装は、セレクトショップの一角にも見える佇まいです。
荷物を持っている方は預けられるコインロッカーも中にありますが、私はハンドバッグ一つ持ったまま回りました。特に問題はないです。
さて、私が体験したコンテンツは3つ。
なお、この先の感想にはコンテンツのネタバレを含みますので、まだ体験していない方は承知の上でご覧になってください。
1. 高所恐怖SHOW!
行った方々からの評判が非常に良かった+料金も1番高いということで、期待をもって最初に並びました。
他の方々も下馬評を耳にしていたのか、数人が施設に入ると同時にそこへ並び、私はだいたい3かたまり目の体験に。
ちなみに、今回の体験施設に使われているHMDは全てHTC Vive。
没入感には定評のあるHMDです。
体験前にカードを指定の場所にかざして料金を支払います。黒いカーテンの仕切りからスタッフに案内されて中に入ると、二人分の体験スペースが。
この手前にノートPCが置いてあり、その画面などは映すのはやめてください、と言われました。
まず、靴を履き替えるよう促されます。何かはめ込んであるクロックスみたいなのを履く。
そして命綱を模したベルトを腰に装着、両手に何か黒い物体を付けられ、配布されていた目のまわりを覆うシートを付けたら、その上からViveをかぶります。
全体の流れとしては
エレベーターのホールの前に立っている
↓
エレベーターに乗ると、よくある外の風景が見えるエレベーターだとわかる。地上からビルの最上階にのぼっていくところを目の当たりにしながら上昇。
↓
足が震えるような高い場所に板が置いてあるのが見え、板の向こう側に猫。
その猫を助けに行くため、細い板の上を進まなくてはならない。
ちなみに、板から下りてしまったら終了。
下に落ちるようなグラフィックがあるわけではなく、そこで画面が白くなっておしまいだそうです。
感想
思っていたほどではなかったかな…という印象でした。
1番気になったのは解像度。もっと精細な映像ならもっと恐ろしかったかも。
なんとなく、体験していて映像の見え具合のクオリティがいまひとつに感じました。重いのかな?ちゃんとfps出てんのかな?って感じ(※普段しょっちゅうHMDを使用している人間の感想なので、普通の人が見たらそんなに感じないごくごく小さい違和感だと思います…)。
とは言え、やはり目は騙されるものです。怖いことは怖いです。
私はしばらく辺りを見渡した上で、瞬時に心にフタをし、すり足超スピードで板の先まで行き猫さんを救出しました。やっぱり、下はあんまり見ないようにしたよ!
それに、板の先まで行って、そこから方向転換するのはだいぶ怖い。ちょっとウゴウゴっとしました。
板は盤石ではなくて、ちょっとギイギイガタガタします。このガタガタ具合は絶妙でした!
板の広さなど、あまり狭くすると多くの人が渡れなくなってしまうため、調整が難しいそうです。
(たぶん思いついてはいて、あえてやっていないんだろうけど)扇風機で横から風を当てると、更に怖いんじゃないかという気はしました。
私がそこまで没入できなかったのは、自分でもよくビル系のアセットをいじっていたことも原因のひとつとしてあるのかなと…
最初に1番上に来た時、ビルの風景にものすごい既視感を感じたんですよね。ああ、これ何度も見たことあるやつ…!!と…(※同じものを使っているという意味ではありません)
なのでその分リアリティと没入感が削がれ、驚きや怖さが薄れた部分があります。
ですが、全体的に見て、導入・演出・セットともに非常に良くできていると感じました。
友達同士で来たら、とっても盛り上がると思います!
2. 脱出病棟Ω
2~4人で体験できるホラー系アトラクション。
ちなみに、ひとりで来てもスタッフさんが入ってくれるので、2人プレイが出来ます(私も今回スタッフさんに一緒していただきました、ありがとうございました)。
待ってる間もものすごい悲鳴が響き渡っていて、いったいどんななんだよ!と思いながら待つことしばらく。
スタッフさんからコンテンツの説明を受け、怖いけど大丈夫ですかと念を押され、被験者3の席へ(一度やった人でも、座る席によって内容が変わるそうです)。
「車いすに乗って動く」という設定のため、適度にすわり心地の良い黒い四角いソファが用意されています。この施設、空間使いもちょっと気がきいていて良かった。
レバーを前に倒すと前に進みます(前に進むことしか出来ない)。また、手に持ってViveのハンドコントローラを「懐中電灯」として、ダンジョンの中を照らしたりフラグになっている箇所を選択、確定できたりします。
私はゲームの操作というものが非常に苦手な人間なので、そのあたりがちょっと不安ではあったのですが、ほぼ問題なく操作することが出来ました。
感想(ネタバレあり)
あー、私って、思ったよりホラーコンテンツ大丈夫なんだな~っていう…
いやまあ…もともとバイオハザードが大好きですし…ついこの間アイアムアヒーローを観てきたばかりで、素晴らしくてもう一回観たい!と思ってたくらいだからそうだよね…
悲鳴をあげるようなところは特にありませんでした。
お化け屋敷的な怖さ…急に上からお化けが出てきてキャー!みたいなのって、びっくりはするけど別に怖くはないよな~と思いながら先に進みます。
「前に進む」してる分には、別に細かい操作をしなくても決まったルートを進んでいけます(ところどころ分岐はある様子)。
最初「酔いそう…!」と思ったけど、意外と全然酔う感じしない。スピードかな?
ただ、一緒してくださったスタッフさんは「二回連続でやると自分は酔う」と言ってました。私は3D酔いに非常に強いので、あまりあてにならないかも。
右手に持った懐中電灯で、中を照らして眺めることが出来ます。
ビジュアルはとても良く出来ていて、あ~バイオハザードっぽい世界だ~って感じ。
高所恐怖SHOWで感じた映像クオリティへの違和感もなく、よく見えました。
個人的には、家でプレイして、もっとゆっくりまわりを眺めて「そこに居る感」を味わいたいかな…時間制限があるのでとにかくどんどん先に進んじゃってたので…アトラクションなので仕方ないけど。
一緒にプレイをしてくださっているスタッフさんとは、リアルタイムでちゃんとお互い声が聞こえます(なんでリアルタイムでって強調したかっていうと、去年の東京ゲームショーで体験したGREEの「サラと毒蛇の王冠」では、なぜかお互いの声にタイムラグが生じてて聞きにくかったからw)。
「あ~ビジュアルがいいですね~」とか全体的に怖がってない感想の私にいろいろお話してくださり、ひたすらレバーを倒して先に進みます。
途中で私が広い部屋に入り、横には5人くらい縛られ椅子に座った異形の人たちが並んでて、斧を持った人がその人たちを順番に殺していく展開に。
ホエ~これは「猿の電車」みたいなシチュエーションでちょっといいな…!!これ待ってると私もやられちゃうんだよね??なんか奥にレバーみたいのあるけど操作してみても動かないしどうなっちゃうの??
前方には地図が表示されており、途中でようやくもう一人のプレイヤーがそこに映っていて、いまどこに居るかをあらわしていると気づく私。
「そのまま真っ直ぐ進んでください!」と指示を出し、ギリギリで間に合った!部屋の奥の左側のドアからスタッフさんがあらわれ(車いすに乗ったアバターの姿)、九死に一生を得ます。ここらでようやくおー、面白い!となってくる。すごいねこのシステムねこれね!?
そして最後に迫り来る刃を前にしながらスタッフさんとやりとりして、なんとかクリア!嬉しかった!
スタッフさんお世話になりました~
これもやっぱり友達同士で行ってきゃあきゃあするには最適のアトラクションかもな~って思いました。システムが面白くて、どうなってるのか何度かやりたくなりますね!
私が怖いって思うシチュエーションだと「後ろから追っかけられていて、声が聞こえる」とか、「隠れているそばをゾンビが通り、こっちを探している」とかかな…アトラクションとおうちでやるコンテンツとでは驚かせ方も変わるでしょうから、時間を贅沢に使えるおうちバージョンもいつかはやってみたいですね。
3. アーガイルシフト
今回、個人的に1番面白かったコンテンツ!!
動画撮ったので置いておきます。
アーガイルシフトを後ろから見てる。あんな風に動くんだー pic.twitter.com/6V8odf8zz4
— emifuwa(工藤P) (@emifuwa) 2016年5月8日
巨大ロボットのコクピットに乗り込み、操縦できるアトラクション。
この動画の通り、いい具合にシートもガタンガタンと動きます。
シートに座り、Viveとヘッドホンを装着、スタッフのお姉さんの説明というか前説を聴きながら待機。
お姉さんがスゲーいい声で、世界観を朗々と説明してくれます。
最初の映像は「いかにもそれっぽい」インターフェイス描写。いいよいいよー
視線を何箇所かに合わせてレバーを操作するチュートリアルを経て(首を回して色んな場所が見えますよー、っていう導入かな?)、世界に入っていきます。
細かいところは忘れましたが(…)
とにかくなんか巨大ロボットに乗り込むよ!!グイーン!!!(コクピットまで上昇する音)ガシャン!!ガシャン!!
何これたのしい。
私はいわゆる巨大ロボットものにさほど思い入れのない人間(オタクなので基礎教養としてのロボットものの知識はあるが、ちゃんと作品を見てもいないしつまり良く知らない)なのですが、それなのに!!楽しい!!これ楽しいわー!
唯一まともに見ているロボットもの(そうか?)パトレイバーで主人公が最初にレイバーに乗り、おー、ちょっとグラグラするな~なんてシーンを思い出したりして、なんだかわかんないけどとにかく楽しいやつだぞこれ!
なんか人工なんたら言うおねーちゃんキャラがいろいろ説明してくれるのを適当に聞き流しながら、ロボットに乗り込み、飛んでくる敵をバンバン打ってワー!!単純に楽しいわ~!!!ビジュアルも違和感まったくなく(思い入れがないからかもしれないが)、没入して楽しめました!!
アトラクションなので難度高いってことも全然なくて、まー打ったらなんとなく当たるべさ~みたいな感じ(たぶんゲームオーバーとかはないと思う)で、とても楽しく体験できました。
巨大ロボット好きの人は、絶対やった方がいい!!!
もしかしたら、こだわりのある人には色々気になるところがあったりするのかもしれないですが、今までこういったものとあまり縁なくやってきた(ゲーセンとかも全然行かない)者には、とてもおもしろかったです。比べる対象がないからわからないんだけど。
先日巨大ロボットモデルをOculusで見たい!という要望をいただいて、単に突っ立っているのを下から眺めるだけのものを作ったんですが、それでも多くの男性たちはすごく興奮していました。
やっぱり、コクピット体験できるものをショボくてもいいから作ってみようかな?歩行モーションをつけた上でそこに乗ると、どんな感じになるかな?
とは言え、私はこだわりも知識もないから絶対中途半端なものになるんだよな…(←知らないものに手を出して中途半端なものを作ることに嫌悪感のある面倒なオタク)SEも適切なものを選ぶ自信がないな…
などと、帰りの電車でつらつらと考えておりました。
そのほか、幾つか施設全体への感想。
全部のアトラクションをやりたい気持ちで行ったのですが、結果的に今回は3つしか体験することが出来ませんでした。
私は最初の高所恐怖待ちで20分、病棟待ちで15分、実際の体験時間もあるので時間は思ったより早く過ぎます。
時間配分に気をつけて!!
待っている間に感じたこと。
・人口密度が薄い。
予約した人たちだけしか居ないので(印象ではせいぜい20人前後といったところでした)、それらの人たちがふわっとバラけて、いい意味で空いてる感がある。
人がギュウギュウ詰めのアトラクション施設の中で並ぶ…といった感じはなく、空間に余裕がある。これはかなりのストレス軽減になると感じました。過ごしやすかったです。
・悲鳴がこだまする。
待ってる間、ホラー系アトラクションに入った人たちの悲鳴が聞こえてきます。
サクラかよ!?っていうくらいのガチ悲鳴です。男の人の本気の悲鳴ってあまり聞く機会ないので、面白いっちゃ面白い。否が応でも期待が高まります。そういうのも含めておもしろかった。
全体の感想としては「行って損はない」んじゃないかと。
料金はそれなりにかかりますが…事前の注意事項を良く読み、自分が「体験できない条件」に合致していないか確認した上で予約を入れるのがいいと思います。
ものすごく3D酔いに弱い!という人には…おすすめは出来ないかな。
(行ったのに楽しめなかったら辛すぎるでしょ!)
私が今回やった高所と病棟は、特に複数人で行った方が楽しめると思います。
(アーガイルシフトはひとりでまったく問題ない。それ以外のトレインマスターやスキーのも、ひとりでも楽しいんじゃないかと想像)。
もう一回行きたいか?と問われると…群馬在住なのでそうホイホイは行けないのですが、まだチャージも残ってるし、アーガイルシフトもう一回やってみたいかも…
って感じでしたね。
これから、ノウハウをたくさんためて更に面白い施設が誕生することを期待しています!!
Oculus体験会まとめのまとめ
自分が主催した体験会の感想など、Twitterから拾ってきてTogetterにまとめたりしています。
後から自分で読み返したりする用に、ここでまとめておきます。
2014年9月
初回と2回目は自分でまとめていなかった!(ありさとさん、ありがとうございました!)
記念すべき第1回目の体験会でした。
この頃はまだPCをお借りしてやっていて、当日うまく再生できずに肝が冷えたのを覚えています。
始まる二時間前くらいに他所で動作確認しており、詳しい方に教えを乞えたので救われました…
2014年10月
ここでようやく自前のPCに。
ヘタリアMMDクラスタが非常に多く、この回から「お互いに体験動画を撮り合う(余裕があればMMDで再現動画を作る)」という謎の流行がはじまった気がします。
現場でも面白いんだけど、体験動画は撮っておくと後から見ても非常に楽しいです…
2014年11月
そしてその流れのあとに行われた、名古屋での60人規模の体験会。
izmさんにお手伝いしていただいて時間を大幅にオーバーしてなんとか終わらせましたが、帰り道と次の日死にました…
会場が飲食店さんだったので、そのまま打ち上げの予約を入れておいて救われました。
2014年12月
ひと月ごとにやってますね!!精鋭たちがどんどん出現して楽しい限りでした…
2015年2月
いつもお世話になっている銀座のチーパズカフェさんにだいぶご迷惑をおかけした感のある…悲鳴のすごかった回でした。
2015年3月
比較的小規模のもの(20人以下)は、秋葉原パセラ電気街店さんにお世話になることが多いです。
やる前から妄想の激しい人は、体験でもアレだという認識が強まった回でした。
2015年3月
いろんなことからの逃避なのか、この月は小規模を3回もやってます。
交通費も馬鹿にならないというのに…
2015年3月
この月3回目。新しい会場を模索中でした。
2015年4月
お借りした先のダンススタジオさんのオーナーさんも最初から最後まで見学してくださり、体験もしてくださいました!とても楽しんでくださったようで嬉しかった…
その日泊まる予定の宿を「あそこは料理が美味しい!自分もよく行く」と言ってもらえてとても心強かったです(*´∀`*)
2015年5月
GW付近に小規模を2回やったので、その2つでたくさん感想書いてくださった方中心にまとめ。
(↑なぜか上手くタイトルが反映されていませんが、リンク張れています)
2015年6月
久々の銀座オキュ。慣れているので落ち着きます…
2015年9月
ついに京都での体験会。
西も機会と時間とお金があればもっと行きたいんですけどね…
これ以外にも体験会は大小やってはいるのですが、まとめていないものも結構あります。
とりあえず、まとめたらここにまた追加していきたいと思います~
体験会に参加される方への注意事項
私が主催するOculusの体験会に参加される方への注意事項です。
(全ての体験会に共通する事項ではありませんのでご注意を!!)
体験会概要
主催はMikuMikuDance(MMD)で主に活動している者です。MMD使用目的で配布されているモデルを、Unityで読み込み、Oculusで見られる映像として出力したものを見ていただきます(※使用の際はモデラーに許可を取っています)。
1. 見ていただくコンテンツは、好きなキャラが目を合わせてくれたり、手を振ってくれたり、その程度の単純な動きしかしません(少数ですがもう少し作りこんであるものもあります)。
通常、事前に好きなキャラクターやモデルを申告していただき、モデラーに許可を得てからデータを作成します。
※ご自身でMMD用のモーションを作れる方は、お早めに提出いただければそれを使用することもできます。
(1000フレーム程度・あまり特殊なボーン構成のモデルを使用したモーションは再現できない場合があります)
※壁ドン・添い寝等のモーションは当体験会では取り扱っておりません。
※LeapMotionによる3Dモデルに干渉できる(裾をめくったり髪をいじったりする)体験も提供しておりません。
2. 体験会の規模・人数・時間によりますが、Oculusを体験できる時間は、数分~十分程度のことが多いです。
ほとんどの時間は他人がやっているのを眺めることになります。そのため、多くの体験会では体験後すぐに帰っていただいても良いことになっております。
また、会場到着が遅くなる、早く帰らなければいけない…などはお気軽にご相談ください。
注意事項
※Oculusは頭にかぶるタイプのガジェットです。高い位置でのアップなどの髪型の場合、装着しにくいことがあります。できれば、避けた方が良いかと思います。
この記事のトップの女性の写真がわかりやすいかと思います。こんな感じでかぶっていただきます。
※メガネは小さいフレームなら中に入りますが、可能な限りコンタクトの方がいいかもしれません(主催は動作確認時はほとんどメガネでやってますので、メガネでも平気です)。
※基本あまり画面が動かないので3D酔いはしにくいと思いますが、苦手な方はご注意ください。
(いままで酔ったという方はほぼゼロです)
※両目で見る前提の立体視のため、片目の視力が著しく低い場合など、うまく立体視していただけない場合があります。ご了承ください。
HeadLookのON/OFFメモ
やりたいと思ってるお友達のためにメモ。
アニメーション機能をだいぶ使ったので、単純に出来るはずと思ったHeadLookのオンオフが、上手くいかない。
モデルを選択し、Animationタブを開き、新たにプロパティを追加してHeadLookを操ろうとしても、モデル自体のモーションキーだけが表示されてしまい、そこにプロパティを追加できないのだ。
というわけで、アニメーションのレイヤー機能を教えてもらった。
まず、モーションも入れてHeadLookもセッティングまで終わった状態。
Animatorタブを見るとこんな感じになってると思います。
①左上の「Layers」から新規レイヤーを作ります。
これは1つのモーションに別のモーションを重ねたい時に使う機能らしいです。
「+」のところを押すと、もともとあったBaseLayerに加えてNewLayerってのが出来てます。
歯車アイコンから小さなウィンドウが出てくるので、Weightを1にします。
②Projectタブの上で右クリックするとCreateできるので、そこから「Animation」で「New Animation Clip」を作ります。
これを、モーションデータを移動する時と同じように、Animatorタブの画面にドラッグ・アンド・ドロップします。
新しく作ったレイヤーの中に、新しいアニメーションのクリップが入った状態。
そうすると、下のAnimationタブに「New Animation」が加わっているのがわかります。
③New Animationを選択するとこのような画面になりますので、「Add Property」から「HeadLookControllerTarget」(バージョンによってはこの名前じゃないかも)の「Effect」の項目を選択し、プロパティを作ります。
(このEffectってところの右の方に「+」マークが隠れているので、下のバーを動かして+を表示させて押してください。
やっとキーが打てる状態になりました。
これで、「モデルに乗っかってるHeadLookCotrollerのコンポーネントの適用具合をいじれる状態」になったのです。
Hierarchyタブでモデルを選択すると、インスペクタにはずらっとコンポーネントが並びます。HeadLookCotrollerTargetというコンポーネントを探し…
ここの「Effect」という数値が「1」の状態が通常状態。
(ここでは下の目用の設定は、あんまり動くとおかしいので0.4になってますね)
この状態でAnimationタブにキーを打っていきます。
上の数値は秒数です。最初は横軸の数値が0:01~とかかもしれませんが、このタイムラインの上でマウスのスクロールホイールを動かすと、軸の数値が広がったり狭まったりします。1:00が1秒なので、動かしやすい軸の設定にしましょう。
④縦軸の赤いラインを動きを設定したい部分に持って行きます(横軸の秒数の数字のあたりをクリックします)。そして、キーがあればキーを選択(青くなります)。
キーがなければ、設定したい場所で右クリックすれば「Addkey」の表示が出てキーを打てます。
そのまま、右のインスペクタの「Effect」の数値を変えます。
0にすればHeadLookが効かなくなるし、0.4とかにすればおさえめな感じに。
こんな要領で、タイムライン上のHeadLookの適用度合いを操作することが出来ます。
ただ、このタイムライン、何度も言うけど死ぬほど使いにくいので注意してください。
それと、このAnimationタブの下にある「Curves」ってところを押すと、カーブ表示も出来ます。
便利なようで…便利じゃないようで…便利なような…
使い勝手に関してはコメントを差し控えたいこの機能。便利な時は便利です(察してください)。
勝手に補間をしてくれるのはいいのですが、時々悪さをします。
急激に0→1とかにした場合、カーブが勝手に大きな弧を描いて、自分の中では0→1→0なのになぜか0→1→2→12→2→0とかになってる時があります。
こんな感じ↓ カーブのラインが振りきれて上の方にいっちゃってる。
そんな時はこうやって、あれになっちゃってるキーの点を右クリックし、「Auto」から「Flat」にします。
だいたい荒ぶってる部分の両端の点をFlatにすると、落ち着いてくれます。
ほかにも色々アニメーション機能の罠はあるのですが、とりあえずここまでで。
2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編3)
「初音ミクVRライブ」解説編その3です。
というか…
「プログラミングが一ミリもできない人が無理やりUnityでなんか作ろうとしたらこうなった記録」
って感じになりましたね。
まずは、ステージの構築から。
VRライブと言いつつも、ステージらしいステージがあるわけではありません。
重いし、あと結局「本当にライブっぽさを感じる」って相当敷居が高いと思うんですよね…
Unityちゃんライブとか、モーフィアスのミクさんライブとか、それっぽいのはプロにまかせて、私は曲からイメージできる宇宙っぽい、ふわーっとしたもので十分だと思いました。
それで出来上がったのが、こんな感じ。
このコンテンツに使用したオブジェクトは
①ミクさん
②足元にあるカプセルっぽいやつ(ここでは見えてない)
③「HATSUNE」のロゴふたつ
④「shakeit!」のロゴ
⑤星が円形に連なった模様(ピンクと青)
⑥ピアノの鍵盤を円形に配置した模様(ここでは見えてない)
これだけで、そのうち3Dなのは①と②だけ。
③と④は自分でPhotoshopでこんな感じの素材をつくり、Unity上でSprite化したものです。
あのさー!!!Spriteってさー!!!便利よなーーーーー!!!
こんな便利なもんあるならはやく言ってよ!!!
とすごく思いました。
まああれだ…Spriteって通常はあれね…2Dゲームのアニメーションとかに使うやつらしいですね…こう、ドットアニメっぽいやつとかさ…
そんなことはどうでもよくてですね…私はなんかこう、不自然じゃなく空間上に貼り込める映像みたいなの欲しかったんですよ…
目の前にあるんじゃなくて後ろの方で背景というか賑やかし的に使うなら、これでも全然問題ないやんか~~
しかも適当にシェーダ当てといたら、そんな安っぽい感じにもならんし…!!
これに気付いて、だいぶ楽になりました…(*´∀`*)
⑤⑥も、同じやり方でSprite化しました。
これなら重くないし、しかもアニメーション機能を使えば色替え・サイズ替え・シェーダ替え・移動回転も自由自在じゃないですかーーーーー!!!やったー!!!!
MMD者の私からすると
「AviUtlの2D編集的に使えるやつキタワアアアアアアアアアアア」って感じだったですね…
というわけで、
shakeit!ロゴは消えたり現れたりもするし、アニメーション機能でシェーダをリズムに合わせて替えたりしています。
星の輪も、曲の流れにあわせてゆっくり動かしたり勢い良く回したり、止めたり。
鍵盤の輪は、大きくリズムを刻むところでサイズを大小と変化させることでアクセントを付けています。
全部をチカチカさせすぎるとうるさいので、HATSUNEロゴは特に何もせずそのまま。
そう…この話をしないといけないね…
アニメーション機能…ね…
これを教えてもらい、まあ色々ね…オブジェクト動かしたりなんだかんだをタイムラインで管理できるようになったんだけど…
Unityのアニメーション機能ものすごく使いづれえええええええええええ
死ぬほど使いづれええええええええええええええええええええええええ
…っていうのは折に触れ主張していきたいと思います。
一見MMDのタイムラインに似てて、これ僕にも出来そう!と思わせるんですが…
左の「Add Property」ってところで、色んな項目を追加していって、それらを数値やカーブで制御できるんです…(この図ではライトの色や強さを指定してます)
ほらカーブモードにも出来て!補間の形状も指定できて!!やだ便利!と思うじゃない…?
これが死ぬほど使いづれえええええええええんだよ正味の話がよ!!!
いや…あれですよ…
MMDがね…使いやすすぎるんです…
MMDはね…あの機能がメインのアプリケーションであって…使いやすいのは当たり前ですよね…
Unity先生はねほら…死ぬほどいっぱいあって使い切れない機能のうちのごくひとつですからね…
しかもたぶんこれをメインで使ってる人そんなに居ませんからね…
インターフェイスとか使いやすさとか、そんな瑣末なことは世界のUnity先生には関係ないですよね…
だからね…Unity先生は悪くないんですよね…たぶん
これね、実際使ったことないと、この死ぬほどかゆいところに手が届かない感は伝わらないと思うので、MMDやってる人ほんと使ってみてください。そして私と飲みましょう。
あえて1つ具体的に指摘するなら
「タイムライン上のスクロール&移動がやりにくすぎ」
矢印キーでタイムライン上移動できるようにしてください(真顔)。
あとねもう1個ね、大声で主張しておきたいのはね、
Unityって、「100フレーム目までから200フレーム目までだけ再生して確認したい」っていうのがね、できないの。
できないの。
だからね、3500フレーム目から3560フレーム目までの演出がうまくいってるかどうか確かめたいだけでも、全部最初から再生なの。
この何千フレームもあるコンテンツをね…
いちいち最初から…全部再生しながらね…確認作業するのね…
とても辛いの…
というわけで、今度やる時はなんたらエディタとかを…導入してやりたいです…
もっとサクサク作業したいです…
最後に、エフェクト(パーティクル)の話です。
今回、オブジェクトに容量を割かなかった分、ほとんどパーティクル系エフェクトでの演出にぶち込みました。
アセットストアに汗水たらして働いたお給料を注ぎ込んで、人様のつくった素敵なエフェクトを購入したりしてな!
それらをなんか適当に配置すれば!なんかほら!素敵っぽくなるやん?
もちろん、僕はスクリプトが使えないからね!エフェクトの開始位置指定は全部Start Delayで指定。
ちゃんと音に合ってるかどうか確認するのも、全部最初から再生してさ…
「あ、ほんのちょっとずれてる」→最初から再生
「うーんまだわずかに…」→最初から再生
でもね、なぜかデータ出力すると再生する度にエフェクトの出現時間が違ったり、むしろ出なかったりという現象が発生。
もうね、あきらめた!!
違ってても、むしろそれそういう演出ですから!ってことにした!
案外「ああ、こういう演出もありだな」って思ったりもしたしね!
再生する度にエフェクトの出現具合が違うんだ!おもしろいよ!!
OcuFes会場でモニタを眺めつつ「あ、また出現場所違ってる」「このエフェクト5回に1回くらいしか出現しないな~」と思いながら見てました!!
いまだに理由がわかりません!!
前回の記事で言及した「背景を自在に変えられない問題」も、「オーロラのエフェクトのテクスチャをアニメーション機能で切り替える」という手法を使い、背景の空間のビジュアルが何度か切り替わるようになっています。
これもね、フェード的にじわーっと変えることは出来ないから、パッと変わってしまうんだけども、ミクさんが手を叩いた瞬間に変わるとか、目くらましのエフェクトを出して不自然さを減らす、などの努力をしております。
オーロラのエフェクトは3D的に空間を埋めてくれるので、VR的には悪くない見た目だったのではないかと思います。
スクリーンショットをいくつか撮りましたので、こんな感じになったということを、体験していない方はお確かめください。
「プログラミングがまったくできない素人でも、このくらいならなんとかなるよ!」という勇気を皆さんに持っていただければと思います。
2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編2)
「初音ミクVRライブ」解説編その2です。
このコンテンツの試作版は、だいぶ以前から作り始めていたものでした。
shake it!の楽曲製作者さんやモーション製作者さん・振り付け製作者さんにOculusでの使用許可をもらい、さて使用できるとなったところで…どうするか。
私はもともとMMDでの動画製作者であり、この曲で既に動画を一度製作したことがあります。
(ちなみに、このムービーが収録されているクリィミーマミ30周年記念ムックはこちらです↓)
UnityでOculusを使用したVR映像をつくるには、動画作成と同じようにはいかない大きな壁がいくつもあります。
とてもじゃないですが、このムービーのように好き勝手なんでもかんでもしたりはできません。
壁① 視界が360度ある
これが一番のネックかもしれません。
通常の仕上がり2D動画では、四角で囲った画面の中だけキレイに見えていればいい。
でも、Oculusではそうはいかない。360度すべて見ることが出来る。
私はMMDの初心者向けのブログや動画を作っており、初心者の方にはよく「見えてないところは直さなくていい!見えてるところだけ修正して演出して、結果キレイに見えればいいんだ!」と言うのですが、それが通用しない。体験者は見ようと思えばどこでも見られてしまう。誤魔化すことが出来ない。
MMD動画を製作したことのある方なら、感覚としてわかると思うのですが
・体験者がその時その時でどこを見るかわからない(真上・真後ろ・真横、どこでもカメラが向いてしまう)
・ムービーなら通常見えていない部分でも、体験者が視線を向ける可能性がある
となった時、どのように演出をしますか…?
なので、最初の試作品を作った時も、背景は夜空や星空などとし建造物としてのステージは用意しない(完全に視界を囲ってしまわない限り、ステージがどんなに大きくても、体験者には『端っこ』が見えてしまう)ようにしました。
また、豪華な3Dオブジェクトのステージなどを持ってきた場合、これが第二の壁になります。
壁② 重い3Dオブジェクトはあまり使えない
「カスタムメイド3D2」の体験話の時にも出ましたが、現状、Oculusで見ることを前提に何かを作る場合、あまり重いオブジェクトをポンポン放り込む、というわけにはいきません。
モデル3人を動かすと苦しいという話の通り、グラフィックボードがかなりのハイレベルでも、入れられるオブジェクトの重さに限りがあります。
MMDで言うなら「グラボなしのノートで動画つくってる状態」と言えばわかりやすいかな(;´∀`)
2D動画と違い、真上や真下、どこでも見られるということはそれだけ情報量が多い=重いということ。
頂点数の多いステージモデルとモデルを入れ、重いエフェクトを入れたりなんかした日には、Oculusでの見え具合のクオリティが下がります(首を振った時に遅延が生じたりカクカクしたりする)。
それは没入をさまたげ、3D酔いの原因ともなるので、Oculusデモ界隈では明確に避けるべきであるとされています。
モデルは最高でも2体、2体使った場合はそれ以外の3Dオブジェクトの使用はかなり制限される…いわんやエフェクトをや…といったところです。
MMDで動画をつくっている時は、ゲーミングPCのグラボならどんなデカいステージでも入れ放題切り替え放題、モデルも入れ放題、エフェクト入れ放題でしたが、Oculusで見るのには、現状最高峰のハイスペックグラフィックボードでも、モデルを三人以上入れることすら難しい…!!というレベル…
壁③ 画面の切り替えが難しい
上に紹介した動画で、私は何度も背景の切り替えをしています。
冒頭だけでも数回。一曲4分を飽きずに見てもらうには、背景やステージをタイミングよく切り替える演出は基本です。
これは、MMDで別出力した動画をAviUtlで編集したりしてこうなっています。
しかし、Unityではそれは難しい。動画編集ソフトのようにはいきません。
SCENEというものをいくつか作ってスクリプトで切り替えたりすることは出来ますが、とてもじゃないけど動画編集のように思い通りに切り替えられない(※どちらかといえば、ゲームをやっていて次の場面にいく時に使われるような機能です)。
動画編集ソフトならいとも簡単にできる、フェードを用いた切り替えをするのが非常に困難なのですね…(出来るなら是非教えていただきたいです)
だから、ミクさんをふわーっと雰囲気よく出したり消したりというのもそう簡単ではない。
書き割りの背景やステージや小物がある状態のガレージキットに、フィギュアを立たせた状態を思い浮かべてください。
その前で人が座って見ていて、そのままの状態のまま背景を変えるとなった場合、どうしましょうか…
幕を下ろしたりとか?(色や模様のテクスチャを張ったポリの板を差し替える)しかし、フェードが難しいので、本当に「板が突然出現した」ように見えてしまいます。しかも、360度見えるので、板を300倍とか相当大きくしても、見てる人には「ああ、大きい板があるなあ」ということがわかってしまいます。
じゃあ筒状のポリをかぶせれば!360度という観点ではおかしくないですが、いきなり視界になんか下りてくる、という違和感は一緒です。
オブジェクトの大きさは好きに変えられるので(※MMDの人は、Xファイルみたいなもんだと思ってください)、その辺を駆使すればなんとかなるかもしれない…
ただし、オブジェクトを次から次へ切り替えるのは、重さの問題で難しい…
演出するのが非常に難しい!!!…ということになります。
というわけで、色々とウゴウゴした結果
①3Dオブジェクトはミクさん一体しかほぼ使わない
厳密に言うと、足の下あたりにあるCapsuleという楕円形の3Dオブジェクトがありますが、それ以外はゼロ。
ステージっぽいアイテムは、2Dで表現しました。
ここを切り詰めた結果、その分パーティクル系エフェクトによって演出する、という方向にシフトすることが出来ました。
②真後ろは捨てる
後ろと、横もあんまり演出はありません。ミクさんが目の前に居ればそれで十分だろ!!
Oculus初めてやる人を想定してつくっているので、真後ろになんか仕掛けたところで見ねーべよ。という割り切りで、演出は正面のみに設定しました。
OcuFes時、Oculus体験に慣れた人は色んなところを見るの面白かったw
③真下も捨てる
試作品では、真下(体験者が床と感じるあたり)に波のエフェクトをつけたり、オブジェクトが上下したりという演出を加えていたりしたのですが、ある方に体験してもらったところ「自分は3D酔いをしやすいので、この程度でも下を見ただけで酔ってしまう」と言われ、床が安定しないように感じる演出も捨てました。
床より下にオブジェクトを並べただけで、体験者は高いところに居るように感じ、効果としては面白いのですが、高所恐怖症の人には向いてないし、それで気分悪くなってライブ楽しんでもらえないのもヤだな~と、自己満足的な演出は捨てました。
真正面だけ!ただミクさんだけを見ていればいい…!!というものになったのです。
3D酔いしやすいコンテンツというのは「自分が動かないのにカメラが動き、景色が動く」ものです。このVRライブは体験者は座っていて位置も動きませんが、カメラが不必要に動くこともありえません。よって、3D酔いはまずないコンテンツになったと思います。
やっぱり3回になっちゃったか…
次回は具体的にどんな機能を使ってつくったか。
背景切り替えの話と、アニメーション機能とSpriteあたりの話です。