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Unity+Oculus+MMD とりあえず書き留めておく場所

Unity+Oculus+MMDで、ラクして嫁と遊びたいブログ

2015夏OcuFesに参加してきました(出展コンテンツ解説編2)

初音ミクVRライブ」解説編その2です。

 

このコンテンツの試作版は、だいぶ以前から作り始めていたものでした。

shake it!の楽曲製作者さんやモーション製作者さん・振り付け製作者さんにOculusでの使用許可をもらい、さて使用できるとなったところで…どうするか。

 

私はもともとMMDでの動画製作者であり、この曲で既に動画を一度製作したことがあります。

(ちなみに、このムービーが収録されているクリィミーマミ30周年記念ムックはこちらです↓)

 

UnityでOculusを使用したVR映像をつくるには、動画作成と同じようにはいかない大きな壁がいくつもあります。

とてもじゃないですが、このムービーのように好き勝手なんでもかんでもしたりはできません。

 

壁① 視界が360度ある

これが一番のネックかもしれません。

通常の仕上がり2D動画では、四角で囲った画面の中だけキレイに見えていればいい。

でも、Oculusではそうはいかない。360度すべて見ることが出来る。

私はMMDの初心者向けのブログや動画を作っており、初心者の方にはよく「見えてないところは直さなくていい!見えてるところだけ修正して演出して、結果キレイに見えればいいんだ!」と言うのですが、それが通用しない体験者は見ようと思えばどこでも見られてしまう。誤魔化すことが出来ない。

MMD動画を製作したことのある方なら、感覚としてわかると思うのですが

・体験者がその時その時でどこを見るかわからない(真上・真後ろ・真横、どこでもカメラが向いてしまう)

・ムービーなら通常見えていない部分でも、体験者が視線を向ける可能性がある

となった時、どのように演出をしますか…?

 

なので、最初の試作品を作った時も、背景は夜空や星空などとし建造物としてのステージは用意しない(完全に視界を囲ってしまわない限り、ステージがどんなに大きくても、体験者には『端っこ』が見えてしまう)ようにしました。

また、豪華な3Dオブジェクトのステージなどを持ってきた場合、これが第二の壁になります。

 

壁② 重い3Dオブジェクトはあまり使えない

「カスタムメイド3D2」の体験話の時にも出ましたが、現状、Oculusで見ることを前提に何かを作る場合、あまり重いオブジェクトをポンポン放り込む、というわけにはいきません。

モデル3人を動かすと苦しいという話の通り、グラフィックボードがかなりのハイレベルでも、入れられるオブジェクトの重さに限りがあります。

MMDで言うならグラボなしのノートで動画つくってる状態」と言えばわかりやすいかな(;´∀`)

2D動画と違い、真上や真下、どこでも見られるということはそれだけ情報量が多い=重いということ。

頂点数の多いステージモデルとモデルを入れ、重いエフェクトを入れたりなんかした日には、Oculusでの見え具合のクオリティが下がります(首を振った時に遅延が生じたりカクカクしたりする)。

それは没入をさまたげ、3D酔いの原因ともなるので、Oculusデモ界隈では明確に避けるべきであるとされています。

モデルは最高でも2体、2体使った場合はそれ以外の3Dオブジェクトの使用はかなり制限される…いわんやエフェクトをや…といったところです。

MMDで動画をつくっている時は、ゲーミングPCのグラボならどんなデカいステージでも入れ放題切り替え放題、モデルも入れ放題、エフェクト入れ放題でしたが、Oculusで見るのには、現状最高峰のハイスペックグラフィックボードでも、モデルを三人以上入れることすら難しい…!!というレベル…

 

壁③ 画面の切り替えが難しい

上に紹介した動画で、私は何度も背景の切り替えをしています。

冒頭だけでも数回。一曲4分を飽きずに見てもらうには、背景やステージをタイミングよく切り替える演出は基本です。

これは、MMDで別出力した動画をAviUtlで編集したりしてこうなっています。

 

しかし、Unityではそれは難しい。動画編集ソフトのようにはいきません。

SCENEというものをいくつか作ってスクリプトで切り替えたりすることは出来ますが、とてもじゃないけど動画編集のように思い通りに切り替えられない(※どちらかといえば、ゲームをやっていて次の場面にいく時に使われるような機能です)。

動画編集ソフトならいとも簡単にできる、フェードを用いた切り替えをするのが非常に困難なのですね…(出来るなら是非教えていただきたいです)

だから、ミクさんをふわーっと雰囲気よく出したり消したりというのもそう簡単ではない。

書き割りの背景やステージや小物がある状態のガレージキットに、フィギュアを立たせた状態を思い浮かべてください。

その前で人が座って見ていて、そのままの状態のまま背景を変えるとなった場合、どうしましょうか…

幕を下ろしたりとか?(色や模様のテクスチャを張ったポリの板を差し替える)しかし、フェードが難しいので、本当に「板が突然出現した」ように見えてしまいます。しかも、360度見えるので、板を300倍とか相当大きくしても、見てる人には「ああ、大きい板があるなあ」ということがわかってしまいます。

じゃあ筒状のポリをかぶせれば!360度という観点ではおかしくないですが、いきなり視界になんか下りてくる、という違和感は一緒です。

オブジェクトの大きさは好きに変えられるので(※MMDの人は、Xファイルみたいなもんだと思ってください)、その辺を駆使すればなんとかなるかもしれない…

ただし、オブジェクトを次から次へ切り替えるのは、重さの問題で難しい…

演出するのが非常に難しい!!!…ということになります。

 

というわけで、色々とウゴウゴした結果

 

①3Dオブジェクトはミクさん一体しかほぼ使わない

厳密に言うと、足の下あたりにあるCapsuleという楕円形の3Dオブジェクトがありますが、それ以外はゼロ。

ステージっぽいアイテムは、2Dで表現しました。

ここを切り詰めた結果、その分パーティクル系エフェクトによって演出する、という方向にシフトすることが出来ました。

②真後ろは捨てる

後ろと、横もあんまり演出はありません。ミクさんが目の前に居ればそれで十分だろ!!

Oculus初めてやる人を想定してつくっているので、真後ろになんか仕掛けたところで見ねーべよ。という割り切りで、演出は正面のみに設定しました。

OcuFes時、Oculus体験に慣れた人は色んなところを見るの面白かったw

③真下も捨てる

試作品では、真下(体験者が床と感じるあたり)に波のエフェクトをつけたり、オブジェクトが上下したりという演出を加えていたりしたのですが、ある方に体験してもらったところ「自分は3D酔いをしやすいので、この程度でも下を見ただけで酔ってしまう」と言われ、床が安定しないように感じる演出も捨てました。

床より下にオブジェクトを並べただけで、体験者は高いところに居るように感じ、効果としては面白いのですが、高所恐怖症の人には向いてないし、それで気分悪くなってライブ楽しんでもらえないのもヤだな~と、自己満足的な演出は捨てました。

真正面だけ!ただミクさんだけを見ていればいい…!!というものになったのです。

 

3D酔いしやすいコンテンツというのは「自分が動かないのにカメラが動き、景色が動く」ものです。このVRライブは体験者は座っていて位置も動きませんが、カメラが不必要に動くこともありえません。よって、3D酔いはまずないコンテンツになったと思います。

 

やっぱり3回になっちゃったか…

次回は具体的にどんな機能を使ってつくったか。

背景切り替えの話と、アニメーション機能とSpriteあたりの話です。