Unity+Oculus+MMD とりあえず書き留めておく場所

Unity+Oculus+MMD VRでキャラクターと遊ぶ

VRで推しのファンミーティングごっこをした話

MMDモデルを使用した「推しに会えるVR体験会」をたまに開催しているのですが、今回ちょっと特別に気合いを入れてあれこれやったので、その覚書です。

 

きっかけは「マジLOVEキングダム」という映画にハマったことでした。

utapri-movie.com

これは「うたの☆プリンスさまっ!」という人気コンテンツ初の映画化作品で、なんと全編がライブ(ライブ部分は3Dモデル使用)という非常に画期的な映画で、6月の公開から現在もロングランを続け、動員100万人突破、興行収入は16億を超えたとのこと(9月5日現在)。

もともと知っているコンテンツではあったのですが、この映画が大変素晴らしいものだった上に新たに推しも出来てしまい、結局現時点で27回(たぶん…)鑑賞しております。 

このコンテンツ、あまりに3Dモデル自体の出来とライブ部分の出来が素晴らしかったので、しばらくはただ布教活動と宣伝活動をしていたのですが、それはともかくとして、推しのMMDモデル、誰か作ってくれないかな~と思っていました。

3DつながりでMMDクラスタの方々にも激烈に布教し、少なくない人数の方が観に行ってくれた中、一人良い感触だった方を捕まえて「作ってくれたら瑛一くんVR作るよ!モーションも全部イチから作るよ!」と激しくプレゼン(そのモデラーさん自身もRiftを所持していて、VR環境があるのも大きかったかも)。

ありがたいことに、私の推しである「鳳瑛一」くんのモデルを作ってもらえることになりました(これが確か7月頭くらいのこと)。

モデルが出来上がるまでには少し時間がかかるので、それまでに準備しておこう…いつもとは違う、ちょっと手間のかかったやつを作ろう。と考えていました。

そして、約一ヶ月の間、モーションを少しずつ作ったりしながら、モデルの進捗を眺めてワクワクし、これは絶対に鳳瑛一推しの人を集めて体験会をしたいなあ…と考えていました。

のちのち気づいたのですが、この鳳瑛一さんの誕生日が9/1だったのです。

それなら、モデルが8月半ばくらいまでにあがってくれば、なんとかギリギリ誕生日合わせで体験会出来るのでは?9/1はちょうど日曜日だし!などと夢が広がります。

ただ、せっかくの誕生日当日、ケーキ買ったりなんかいわゆる誕生日会らしい盛り上がりも無いと寂しいよな…ただ私、その手のやつ、普段自分が一切やらないから不得手なんだよな…できれば、誰かがやる誕生日会に乗っかりたいな…などと考えていました。

いろいろTwitterでウゴウゴした結果、誕生日会の方を仕切ってくださる方を紹介していただき、余興的な位置づけで「瑛一くんVR」をやらせていただくことになりました(本当にありがとうございました!)

そして、非常にありがたいことに、友人3人がVRのお手伝いとして、誕生日会に参加してくれることになりました(誕生日会はパセラでやったから、来るだけで参加費もかかるのに…)。

この人たちがまた異常に有能すぎたので、その話をじっくりさせてください。

 

瑛一くんVRのなかみ

 

※これから体験する人で、あまりネタバレしたくない人はこの先読まない方がいいかも※

 

瑛一くんVRは、商業コンテンツではたぶん絶対やらない、とてもアホな作りになっています。

モーションが、全部キー入力操作なのです。

冒頭の登場から一礼するところまではすべて共通ですが、そのあとは、体験者の行動に合わせて、操作者が瑛一くんを操作します。

絶対入れたかったのは「ひざまずく」

男性のキャラクターモデルは、大変高身長なことが多いです。瑛一くんも例にもれず、185センチ。

この身長では、多くの体験者である女性が彼の前に立っても、見上げるのが大変。また、顔も少し遠くてさみしい。

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「ひざまずく」を入れることによって、体験者が彼を見下ろすことも出来ますし、また体験者自身も身をかがめれば、非常に近くで彼の顔を見ることができます。

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体験者にお願いされてひざまずいてもらうこともあれば、立ち上がれないタイプの体験者に合わせて、こちらから勝手に操作することもあります。

体験者は一番最初は椅子に座っていてもらうので(※体験者が立った状態から始めると、腰が抜ける人が少なからずいるのと、逃げ出す人が少なからずいるのと、後ろに吹っ飛ぶ人が少なからずいるので、それの抑止力として椅子を使います)。ひざまずいてもらうと、ちょうど目の前に彼が来る感じになりますね。

でももちろん、立った状態でいてもらうと、彼の身長をリアルに味わうことも出来るし、両方できるのが一番いいのです。 

ほかには「手を振る」とか(※挨拶としても使えるし、バイバイとしても使えます)「投げキスする」なんてのもあります。鳳瑛一さんはアイドルなので、いわゆる「ファンサ」らしいことをしても不自然じゃないのがありがたいです(実際に映画の中でもやっています)。

また、足がすくんで近づけないタイプの体験者のために「おいでおいでをして、両腕を広げる」というモーションも作ったのですが、モデラーさんに見せたら「こんなのやられたらもっと近づけないですよ!」と言われてしまいました。実際、体験会では非常に人気の高かったモーションでした。

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ほかにもちょっとした表情の変化など、すべてキー入力!

不自然にならないように、あまり大きな表情の変化はありません。種類も少ないです。基本ニコニコしてるだけです(だってファンと触れ合うのに急に怒ったり変な顔したりするのも不自然でしょう?)変化もかなりゆったりめです。

それ以外にも、瑛一くんはLookAtで顔が体験者の方を向くようになっていますが、LookAtのオンオフもキーで操作できるようにしてあります。

「ずっと見られると辛い」人のために、視線を外すことができるようにしているのですが、ちょっとはずしたところでまたオンにすると、ゆっくり視線が戻ってきて、逆になかなか破壊力が高いです。

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それと、上半身のLookAtだけをオンオフしたりも出来るので、ちょっとしたニュアンス付けと、正面に体験者が立った時、急に覗き込んでくるような動きも出来ます。

 

そんなこんなで、実際に操作するノートPCの状態はこれ。アホか。

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これ以上増やすと操作が大変だからここまでにしておこうと思うんだけど、外部入力装置とかを付ければ、もっと操作しやすいかもな~~モーションも増やせるかもな~~って思ったりもするんですよね…体験会、実際やってみたら案外操作ミスもなくできちゃったので…

それ以外は、基本的にLookAtとBreathControlが入ってるってだけで、特になんてことない、素人らしい、洗練と無縁の芸の無い作りです。

つまりキャラクターが突っ立ってるだけだよ!当然ボイスもないしね!

でも、あの美しいモデルをVRで見られるだけで、十分に価値はあると思うんだよな…!!しかもRift Sで!

 

それ以外に準備したこと

で、VRコンテンツ自体は、モデルがあがってくるまでにモーションを準備していたのもあって、結構順調に出来ました。

それ以外に準備することって、誕生日会自体の方はそちらの主催さんに丸投げしていたので、実は何もないはずなんですが、VRのお手伝いをしてくれる3人と打ち合わせをするDMグループで「スタッフTシャツほしいよね」みたいな話が出てきたんですよね。

鳳瑛一さんはアイドルで、事務所に所属しているので、そこのスタッフみたいな格好をして、あたかもアイドルの接触イベントをやるみたいな感じでやろうよ、ってことです。なにそれ楽しそうやんけ。

お手伝いをしてくれる3人は、これまでに私の体験会でVRを体験して、いずれもかなりのヤバい反応を示してくれた方々。私自身よりもよほど「推しに会う時の衝撃」を身を持って知っている方々です。

だから余計なのかもしれないのですが「他人が推しを目の前にして発狂するところが見たい」というただそれだけで、今回わざわざ安くない誕生会参加費を払ってまで手伝いに来てくれた3人なのですよ…面構えが違う…

スタッフTシャツいいね…本当に推しに会うファンミーティングイベントみたいなの楽しいやん…!と思ったけど、ほかのみんなはどうなん…?ってチラ見したら、私以上にノリノリで、それ最高だからやろう、みたいなことになりました…

提案してくれたさよりさんに、Tシャツ(結局ポロシャツになった)のデザインも丸投げ、あとスタッフ証(首から下げるやつ)も作って腕章もつけようみたいなののデザインも全部丸投げ、アイロンプリントまで全部やってもらって、私がやったのは百均でカードホルダー買って腕章買って、プリントしたやつを切って中に入れただけ…本当にありがとう…

現場での「お手伝い」内容

お手伝い内容の内訳は、二人が体験者の左右に待機して、事故がないよう見張る(見張る?)係。もう一人はタイムキーパー(体験内容が時間経過で終わるものではないので、ひとり3分と決めて回しました)。

事前の打ち合わせではそれほどああしてくれとかこうしてくれとか言わず、体験中の呼び方は「瑛一さん」で統一するとか、スタッフのテイで喋るとか、事故が一番怖いので気をつけるとか、そんなことしか言ってなかったんですが、とにかくこの3人が超有能で…思ってた以上の振る舞いをしてくれました…

 

現場では、位置的に私がRift Sの着脱をサポートするのが難しかったため、本番ぶっつけで、初めてRift Sを触る二人に「こんな感じだから頼む~」と、かぶせて上のベルト調節、後ろダイヤル締め、ピント合わせ指導まで全部やってもらってました…

そして、ピントが合ったら「ピント合いました」「はい!瑛一さん入ります!」「瑛一さん入ります!」(exe起動~)と、私と二人が復唱するというこの現場のノリ…事前に示し合わせたわけでもないのに、なんか自然にそうなってました…これ、聞いてた体験者さんはどうだったんだろうな。

そして、体験者の横にずっと立ちっぱなしのまま待機し、後ろに椅子ごとずり下がろうとする体験者を全力で止め、どんどん手が冷たくなっていく体験者の手を両側から握ってあげ、体験者の言葉には完全に「接触イベントのスタッフ」というテイで答え、気持ちを盛り上げるような(煽るようなというべきか…)受け答えをする二人…超有能かよ…

ケーブルの取り回しはもちろん、終わったあとのレンズ拭きとRiftが顔に当たる部分を拭く作業まで全部やってくれて、本当に本当にありがとう。めちゃくちゃ楽させてもらいました…

タイムキーパーの一人も、単に時間測っているだけではなくて、「あと30秒です!なにかまだ言い残したことありませんか?」「最後のチャンスだから言っちゃいましょう!」などと、どんどん体験者を煽っていくスタイル…私なにもそういうのしてとか言ってないのに…しかも、なんかめちゃくちゃメモってるな~と思ったら、あとから体験者全員がこんな風だった、こんなことを言ってた、とかをめっちゃ愛情深い表現でツイートしてんの…なんなのこの人たち…有能すぎないか…????

私は事前に全然たいしたこと打ち合わせてないのに、自らガンガン色んなことやって場を盛り上げてくれたスタッフ3人、さよりさん、はんさん、らぐさん、本当にありがとう…このメンツが揃ってお手伝いしてくれることは今後はまずないので(というか基本いつも私一人です)、こんな神シフトにあたって体験できた皆さんは完全に幸福です… 

 

というわけで、今回はVRコンテンツの中身だけでなく、別の部分からもアプローチしてみた結果、有能すぎるスタッフと、それに乗ってくださった体験者さんたちのおかげで、全力でごっこ遊び」ができて、めちゃくちゃ楽しい時間を過ごせたと思います。みなさんありがとうございました!

もちろん、モデルをつくってくれたけやきさん、舞親さん、リディさん(モデリング+セットアップ)、誕生日会の方を仕切ってくださった辰希さんも!

あといつもアドバイスしてくださる瀬川さん、予備機を貸してくださったizmさんも~~!!

普段はいつも一人だけで体験会をやっているので、今回はなんだかみんなで一つの目標に向かってワイワイやったのが、チーム感あってとっても楽しかったのでした!!

 

体験者の反応もなかなか激烈で面白かったので、興味のある方はまとめをどうぞ。